- トラスロッド
- 2015/07/23
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写真は左が通常のトラスロッド(1wayタイプ)、右がバイフレックスと呼ばれる両効きトラスロッド(2wayタイプ)です。
リペアに来るお客様に多く聞かれる事は「トラスロッドって何?」です。
内容としては「なぜロッドを回したらネックが反る?」をよく聞かれます。
仕組みとしてはただの金属の棒が入ってるだけです。本当ですよっ(汗)
そのただの棒が反り調整できる様な仕込み方に秘密があるのです。
ネットに出てきた画像を使わせて頂きました。すいません(汗)
トラスロッド、上で紹介した通常のトラスロッドと両効きのバイフレックスはAの様に溝を撓ませた状態で掘り、上から木材で埋めてネックに一体化させます。こちらのロッドは撓んだ溝に仕込まない限りは何の役にも立たないただの棒になります。
ちなみに写真のBタイプの両効きトラスロッドは真っ直ぐな溝を掘るだけで簡単に仕込めるトラスロッドです。こちらはトラスロッド単体で順反り・逆反りと動かせる構造なので木材でロッドを埋めてネックに一体化させる必要がありません。ただの棒って言いましたが、本当にただの棒です。
先がT字になっており、ここが引っ掛かる構造です。
撓みを付けた溝に撓ませてトラスロッドを仕込みます。
するとどうなるか?ロッドを回すと撓んだロッドを引っ張る動きに変わり、トラスロッドが真っ直ぐな状態近づいていきます。真ん中が上に持ち上がる動きになります。
トラスロッドは埋めてネックと一体化してるので、ロッドが真っ直ぐになる力でネックは逆反りに動いていきます。
バイフレックスの様な両効き2wayタイプは逆に回すとロッドを押し入れる力が働く様でネックを順反りさせる働きもできます。Bタイプも構造は2本の棒がそれぞれ逆反り・順反りに動く物だと思います。
通常の1wayトラスロッドは逆反りにしか動かせません。順反りに動かせるのはネック製造時に逆反りした時に戻せる様にわざとロッドを少し締めた状態で作ったり、製造後に順反りした事や調整で弦張力に負けるからロッドを締めてる場合等があります。
リペアをやってて大体のネックは弦の力に負けて順反りしてるのが多い印象で、ネックが逆反りし過ぎるトラブルにはあまり出会いませんが、湿気があると木材は膨らみ逆反ります。1wayタイプで調整できない範囲まで逆反ると音が詰まって弾く事ができないギターになってしまいます。2wayなら順反りにも動かせるので問題はありませんが。
問題は1wayだと逆反りした事も考えて製造時に少し締めた状態で作ると順反りを直す範囲が少なくなる事です。ちゃんと撓みを付けてロッド仕込みが上手くできてれば効く範囲も大きいので気になるレベルではありません。が、メーカーの大量生産物はここの仕込み精度があまり良くないのか、ロッドの効く範囲が少ないネックがとても多いです。トラスロッドが効かない(限界)はロッドが真っ直ぐな状態になった時です。撓みが無くなれば動く事ができなくなるただの棒になります。この限界が来るのが早い状態のネックがリペアをやっていてとても多く出会います。
日本という楽器にとって大変な気候は2wayが便利です。もちろん長所があれば短所もあります。
Bの2wayタイプは質量があり重くなるので鳴りや響きが変わってしまいます。音が変化するのは事実で、この辺りは音の好みです。
最近はチタン製トラスロッドが発売されたり、こだわるなら1から素材を厳選し作る事からです。
音か?機能性か?と問われるトラスロッドですが、それは好みで選べば良いとして大事な事はいかに上手く仕込めるか?です。大事な部分なのでしっかり仕込めるかが重要な部分です。
見えない部分なので難しいですが、ロッドがよく効く楽器は「見えない部分もちゃんと作られてるな」と安心します。誤解が無い様にですが、硬い材で作ってあるネック・太いネック・仕込んだ補強材が強いネックはロッドの力だけであまり動く事ができず効きが悪いと勘違いしやすい部分なので、そこだけはご注意下さいませ。
ギターもベースもネック反りは永遠の悩みになると思いますが、それらの調整が上手くできる様に丁寧にクラフトマンは今日もどこかでトラスロッドを仕込んでおります。
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