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  • ハードオフが何か凄い。リサイクルショップの質が上がり楽器屋を超えている様な気がする件。これで良いのだろうか楽器業界。改善点等の私の考え等。
  • 2019/08/16
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  • 久し振りのリペア記事以外の記事投稿です。

    約1年程前からバイクの免許を取っては日々ツーリングに行っておりますが、通りすがりにハードオフを見つけたら寄る事をしています。

    数年前はよく行っていたのですがバイクに乗り始めてからは頻度が高く行く様になりました。
    今回のお話はその中で気が付いた内容として、ハードオフの楽器コーナーの質が高くなってきている事です。

    逆に昔は個人的に良かった場でした。昔は楽器類の事をよく分かっていなかった様で音が出ない程度でジャンク品として非常に安い価格で売られていたのを購入して直しては使う等して得をしていました。
    使わない場合は直して高く売れる訳ですし、楽器関係の知識が無い事からそんなお宝発掘の場になっていましたがさすがに近年はそんなラッキーが起こる様な事は無くなりました。
    そして最近は並べられている楽器の状態による設定価格を見ていると楽器に対する知識や判断ができてきている様に思っています。

    ジャンク品に対するコメントも結構細かい説明があったりと、知識が無いと書けない様な理由付けで価格が安い理由が説明書きにあったりする物もあります。

    正直、私から見て楽器を購入する際にハードオフで購入するのは全然アリです。安心感があります。むしろ楽器屋で購入するよりも良いのでは?という話を致します。

    話の前振りとして上からの物言いに見える内容かもしれないので恐縮ですが、今じゃ楽器屋よりも全国的に数が多く、しかも売られている楽器の質が中古楽器屋よりも高いかもしれないとあればお客様としてメリットがかなり高いお店が全国展開していると考えて良いと思います。

    こうしたお店が全国に増えていく事には多くの人にメリットを与えるので賛成です。


    Thrift shop
    Thrift shop

    そして楽器店の話になるのですが、Youtubeでも度々お話している内容ではあるのですが近年は良くなってきたとはいえお客様が中古または新品の楽器を楽器店で購入して持ち込まれる楽器に難が増えている様な事例と共にこのままでは楽器の専門ではないリサイクルショップ業界に楽器業界が負けていくのでは?と思い、楽器業界が正しい方向に活力が向上していけたら良いなと思い書いた記事です。

    この様な内容を記事にする事も迷ってはいたのですが、楽器業界が世界的に下火になっていく中で楽器を購入する際に一般的な人々の窓口になっている楽器屋に難があると更に楽器業界の景気悪化に拍車がかかる様にも思う為、業界全体が良くなるのであれば結果としてこの記事が何か炎上する事になっても構わないと思い書きました。

    ※最初にお気を付けて頂きたい事として、全ての楽器屋の事を言っている訳ではありませんので勘違いせぬ様ご注意下さい。

    1.何故か楽器専門店なのに新品・中古品のギターに問題がある。

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    当店に持ち込まれる内容でもよくあるトラブルです。

    内容としては楽器屋にて新品または中古で買ったけど何かがおかしいのでチェックをお願いします等で持ち込まれ、実際にチェックしてみると中には新品でも最初から大掛かりなリペアが必要になるケースが見つかる場合があります。例えば新品で買ったのにすり合わせが必要な状態だった等、知らない人からすれば考えられない事かもしれませんが実際に起きています。

    問題が起きていなくても新品の楽器でちゃんとした状態に調整されていない状態で渡される事はとても多くあります。意識が高いお客様は買ったその日や近い日でお店に持ってきて調整するお客様がおりますが、お店の人に調整してもらって渡された場合でも私から見てちゃんと調整できていない事が多くあると思います。

    私のお店だけでこれだけ新品なのに難がある楽器の数が持ち込まれるという事は全国の工房で数えるなら凄い数になっている事でしょう。

    中古品であれば消耗箇所があって当然ですが、お店側で状態を把握できておらずしっかりと調整してみたら状態の粗が見えてきてすぐにリペアが必要になるケースも多くあります。

    ~疑問点・解決策~

    何故この様な事が起こるのでしょうか、細かい所は専門的な知識と経験豊富なスタッフが居ないとお店の方で分からない事なのかもしれませんが、専門の検品スタッフが数名でも居て検品さえしっかりと行って難がある物はメーカーに返品させる等と対処すればお客様に変な状態の新品楽器は渡りません。

    検品ができていない・商品を扱っているスタッフの教育ができておらず現場で状態の把握ができない等、まるでトラブルが起きている箇所もスルーされて販売されている様に思います。

    まずは商品を並べる前に1本1本の検品、中古品でも状態の把握をしっかりと行い難がある点は直すか公表しそれらを理由として価格を下げる等をすればトラブルも無くなると思います。

    この辺りはお店の方でしっかり対処すれば防げる内容に思います。1本1本をしっかり検品するかスタッフにしっかりと知識を教育すべきと思います。

    2.お店購入で問題があったギターを対応してもらえない。

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    1であった内容の場合、自分が行う最初の対応としては「お店の方で新品で購入の際は1年保証が付いていると思いますので、購入した楽器屋に持ち込んで返品または保証期間内の修理対応をしてもらった方が良いですよ。」と、大掛かりな修理になる際はお客様には購入した所に持って行かせています。中古品の際は期限はお店によるサポート期限がありますので期限内に各所をチェックしましょう。

    当然ですがジャンク品・難点がある理由の記載がある中古品を購入した場合は返品できないと思います。安く売っているには理由がありますから直す前提で購入する物です。

    元々昔からですが並べられている楽器は正しい調整がされていない事が殆どです。その辺りも正直ずっと疑問な所ではあるのですがその為に試奏の段階では弦高が高くて難点が分からない状態になっている等があります。

    購入後にしっかり調整をしてみたら難が見つかる事もよくあるのですが、その後に購入店に持ち込んでみると状態が悪い事が判断できないので「調整ができていない。弦高が低いだけですよ。」等と言われ弾き難い位の高い弦高にされたり、お店やメーカー基準で難が起こらない状態であればOKという独自基準があったりしますのでよく確認した方が良いと思います。

    ~疑問点・解決策~

    メーカーや楽器屋にそれぞれ品質基準が設けられると思いますが、これらをよく公表すべきでしょう。
    1でもありますが検品をしてちゃんと調整ができていればお店に変な状態の楽器は置いてあるはずがありません。

    確かに自分達で作った楽器は無いので今は大丈夫だが湿度変化に伴う状態変化、使っていく事による劣化で難が出てきたりする可能性があります。
    トラブルが起こればどの範囲までサポートしてくれるのか、その内容により具体的な表記があると良いでしょう。

    新品でもちゃんとした状態に調整して並べるべきでしょう。
    せっかく試奏してもちゃんとした状態でなかった場合はそのギター・ベースの価値が弾いた時に伝わらない事と単純に良い楽器か分からないと思います。そして大丈夫な状態か100%は判断できません。

    お店側で難しい事と思いますが品質が良いメーカーとそうでもないメーカーを公表すべきかもしれません。
    それが無いと知らない人が購入して泣きを見る事になってしまいます。
    車の業界等では外車を購入する人はその辺りがお客様に意識が高いです。(よく壊れるメーカーだけど愛着があってトラブルがあればその都度直しながらずっと乗っている等。)
    そしてお客様側もトラブルが起こるメーカー品かもしれないけど、それでも好きだから使うんだといった意識が必要かと思います。

    それら情報が個人のブログやYoutube等で調べて初めて分かる今の状況を大手側から情報を発信して変えていくべきでしょう。
    知らないで売ってても問題ですし、知ってて売ってるのも信頼が無くなっていく様に思います。

    3.未だにある昭和感覚のお店

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    本当にそんなお店ってあるの?と思う所ですが、私自身が直接来店して確認していない事ですので100%は分からない内容ではありますがお客様からお話する情報で「○○って所でこんな事があった。」等といった情報を多数得ています。

    よく聞く事例として自分が頼んだ内容を拒否される、お店の方でこれが良いとして内容を変えられた等。
    このギターはこうしないとダメだから、お客様の要望では良くならないからこうした方が絶対に良い。とアドバイス?なのか押し付けなのか分からない対応があった等。

    ~疑問点・解決策~

    お客様の要望通りにしましょう。改造したくて来ているのであればその要望を叶える場なのですが、やはり何かが良くなれば何かが悪くなるケースもあります。アドバイスとして適切なのは改造後にどうなるのか、どこが良くなってどこが悪くなるのか、改造によって何が変化してしまうのかの点を公表すべき所と思います。

    特に削る等の加工関係は改造後に戻す事ができません。加工後に使ってみて元の方が良かったと思っても後戻りができません。

    私自身も楽器の事が分かるからゆえ、自分のエゴを押し付けない様に気を付けています。
    大体の方はネット情報でメリットの部分だけを知っている方が殆どです。
    メリットがあればデメリットも存在します。この辺りを説明できるかどうかなのではないでしょうか?

    4.もう来店したお客様に下手なセールスは辞めた方が良い様に思う事。

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    私自身も楽器屋にあまり行かなくなりました。
    楽器屋に入ってギターベースを見ているとすぐに「何かお探しですか?」「これだとローン〇回払いで購入できますよ!」「このギターに興味ありますか?このギターはですね~(説明が勝手に始まる等)」と毎回言われてその対応に毎回辛い思いをします。

    その理由は私自身も同じ業界に居るので分かりますが、楽器店は店員に対する異常なノルマがあり目標を達成しないといけない事から起こる行動です。
    店員と言うよりノルマ等の設定が悪いのかもしれません。

    私的に本当に辛いのはスタッフから「売りたいオーラ」を感じている事です。
    私の為を思って「この製品を購入したらあなたの人生に凄く恩恵を与えますよ!」といったセールスに感じないのです。
    話を聞いていて自分に何か勉強になる内容があれば良いのですが、そうした事もなく上手い事買ってもらう様な内容なのでただ辛い時間になるだけです。

    相手から話を振られて進めてもらう事が良いと思う人も居るとは思いますが、下手なセールスは私の様にマイナスポイントに感じる様に思います。

    ~疑問点・解決策~

    デパート等の受付嬢の様に対人の専門スタッフと分けて店員が居た方が良いのかもしれません。

    専門的な話が必要になる場合に専門員を呼んで対応してもらう等、利害が一致する様にしないと求めていない相手に対するセールスは非常に鬱陶しく感じてしまいます。

    5.これら問題がしっかりできているのがハードオフの様に思う件。

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    さすがに全ての店舗とは言い切れませんが、結構多くの店舗を行った限りでは質として普通の楽器屋よりも高い様に思います。他のコーナーの質は専門外なので今回は楽器コーナーに関する内容のみになります。

    ●買い取った物を売って利益を得る、よくあるリサイクルショップのビジネスモデルそのままの店舗構造ですがこの最初の仕入れ段階で商品の検品ができるという強みがあります。検品が良い様で変な状態の物が並んでいない。あるとすれば理由ありで説明があったりジャンク品として売られている。
    勿論全てのスタッフに専門スキルがあるのかは店舗毎に異なると思いますが、中古商品の難点に関する説明書きを見ていると商品に対する知識は高い様に見える事。

    ●疑問点を聞いてみたら結構対応が丁寧。商品に詳しいスタッフを呼んできてくれて商品について詳しい話が聞ける。ただし店舗にもよる事もあると思う。テスターを扱って診断するスタッフは楽器屋でも見た事がない(リペアブースがある楽器屋を除く)。
    現場が明るい雰囲気で変なセールストークを振ってくる店員が居ないので長い時間居心地良く居られる。

    ●ハードオフで購入したギター・ベースを持ち込むお客様は結構居ますが個体を見る限り状態に問題がある物が過去に殆ど無い。ただしジャンク品・訳アリ品を除く。

    ●状態等の記載が具体的、それら理由で付いている価格が適切に思う。

    ●楽器屋よりも時給が高い上に能力給(店舗にある求人情報を見ての判断)。これら能力に応じて昇給がスタッフの質が高い理由に感じる。

    ~最後に~

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    いかがでしたでしょうか?こうした内容のブログを書いた事も楽器業界がリサイクルショップの一部門に負けてしまう様な印象を受けた事から書いた記事でした。

    対お店だけの話でなく現在でも今の時代はCtoC、今も昔もまだまだヤフオクが主流と思いますが敷居が低いメルカリ等が出てきて気軽に個人販売が始められる事でお店を必要とせず個人のやり取りがより一般化した時代にお店の質が高くないと利用するメリットがありません。このままでは楽器店の多くはいずれ無くなってしまう業界に思えてきます。

    人手不足・優秀な人材が居ない・売り上げに余裕が無いから問題を改善できない等。本当にそうなのでしょうか。
    私自身も小さな工房の個人事業なので何をぬかしているんだと思う方も多いかもしれませんが、人手不足は賃金が安い・業務内容や未来に良くなっていく見込みが無い業界に人が集まる事はない事・年功序列で上司が部下に自分の地位を超えて行かない様に仕事の内容を調整されて結果を出す機会を得られず出世機会を上からコントロールされた社会システム・この2つによる生産性の低さから来る利益率の低さが原因かと思う所存です。

    今の時代は最新テクノロジーを生活の中で自然に使いこなし尚且つ成長の時間が多い・失敗しても失う地位が少ないという若い世代が圧倒的に将来は優秀な人材になる可能性が高いです。
    会社組織内で若い社員に教育と成長のチャンスを与えて上司はその失敗や知識不足のサポート役の立場に回ってどんどん若手を育成していかないと会社や業界だけの話だけでなく日本の社会全体で落ち込む世の中になるかもしれません。

    今は例えるなら戦国や江戸時代に似ているかもしれません。日本国内で争っている場合ではなく日本がこのままでは世界に侵略されると言った坂本龍馬の言葉と置き換えても良い位かもしれません。広い目線と長い将来を見た対応が求められていると思います。

    SNSがある以上は情報は筒抜け、本当か嘘かは見る人の判断となりますが実際に企業と関わって起きた事はネットを通じて公表されていく時代です。
    サービスの質を高めていくプラスの動きをまずは会社内から、偉い地位がある所から積極的に時代に合った変化をしていかない事にはBtoCの業界は本当の大手以外はいずれ全て滅ぶ様に思います。

    楽器業界が本当に楽器に対するプロフェッショナルなお店ばかりに変化していってくれる事を願っています。
    楽器を買って嫌な思いをするお客様を1人でも多く減らす為に。

    読んで頂きありがとうございました♪


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