月別アーカイブ: 2015年7月

    DSC_2309
  • Lilytail 製作 その4

  • 2015/07/24
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  • DSC_2309

    ヘッドのデザインも決まり、切り出して整え。

    昨日はバンド仲間の来店で、話で盛り上がってたらもうこんな時間…しまったー!と今回はデザイン決めて切り出しサンダーで整えただけです(笑)

     

    ヘッドはウエンジをトップに貼った事で重量と強度を稼ぎました。

    ヘッドって面白いんです。

    ここの部分の重量や強度でなかなかハッキリと音が変化しますから、そのコントロールも難しい所でもあります。

    ベースだと締まりのある低音は厚みのあるヘッドから。と言っても良いかと思います。ギターでもやってるメーカーも増えてきましたね。自分が作るベースは使う材の初期厚みによりますが、厚みに余裕がある場合は好んで厚く作ってます。

    具体的な音の変化はヘッドに重りを付けてみたらすぐ分かります。実際にヘッドに付ける重り「ファットフィンガー」ってのが売られてます。

    ヘッドを厚くするのはそんな重りを付けた音みたいな激的な変化ではありませんが、ナチュラルに低音が安定ハッキリする印象です。

    ギターでやるのは初めてですが、ベースで良い結果が出てるのでギターも良い結果になる事でしょう。いろいろと試して探っていきます。

    ボディも早く使う材を決めないとですね…

     


    DSC_2302
  • トラスロッド

  • 2015/07/23
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  • 写真は左が通常のトラスロッド(1wayタイプ)、右がバイフレックスと呼ばれる両効きトラスロッド(2wayタイプ)です。

     

    リペアに来るお客様に多く聞かれる事は「トラスロッドって何?」です。

    内容としては「なぜロッドを回したらネックが反る?」をよく聞かれます。

    仕組みとしてはただの金属の棒が入ってるだけです。本当ですよっ(汗)

    そのただの棒が反り調整できる様な仕込み方に秘密があるのです。

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    ネットに出てきた画像を使わせて頂きました。すいません(汗)

    トラスロッド、上で紹介した通常のトラスロッドと両効きのバイフレックスはAの様に溝を撓ませた状態で掘り、上から木材で埋めてネックに一体化させます。こちらのロッドは撓んだ溝に仕込まない限りは何の役にも立たないただの棒になります。

    ちなみに写真のBタイプの両効きトラスロッドは真っ直ぐな溝を掘るだけで簡単に仕込めるトラスロッドです。こちらはトラスロッド単体で順反り・逆反りと動かせる構造なので木材でロッドを埋めてネックに一体化させる必要がありません。DSC_2303ただの棒って言いましたが、本当にただの棒です。

    先がT字になっており、ここが引っ掛かる構造です。

    撓みを付けた溝に撓ませてトラスロッドを仕込みます。

    するとどうなるか?ロッドを回すと撓んだロッドを引っ張る動きに変わり、トラスロッドが真っ直ぐな状態近づいていきます。真ん中が上に持ち上がる動きになります。

    トラスロッドは埋めてネックと一体化してるので、ロッドが真っ直ぐになる力でネックは逆反りに動いていきます。

    バイフレックスの様な両効き2wayタイプは逆に回すとロッドを押し入れる力が働く様でネックを順反りさせる働きもできます。Bタイプも構造は2本の棒がそれぞれ逆反り・順反りに動く物だと思います。





    通常の1wayトラスロッドは逆反りにしか動かせません。順反りに動かせるのはネック製造時に逆反りした時に戻せる様にわざとロッドを少し締めた状態で作ったり、製造後に順反りした事や調整で弦張力に負けるからロッドを締めてる場合等があります。

     

    リペアをやってて大体のネックは弦の力に負けて順反りしてるのが多い印象で、ネックが逆反りし過ぎるトラブルにはあまり出会いませんが、湿気があると木材は膨らみ逆反ります。1wayタイプで調整できない範囲まで逆反ると音が詰まって弾く事ができないギターになってしまいます。2wayなら順反りにも動かせるので問題はありませんが。

    問題は1wayだと逆反りした事も考えて製造時に少し締めた状態で作ると順反りを直す範囲が少なくなる事です。ちゃんと撓みを付けてロッド仕込みが上手くできてれば効く範囲も大きいので気になるレベルではありません。が、メーカーの大量生産物はここの仕込み精度があまり良くないのか、ロッドの効く範囲が少ないネックがとても多いです。トラスロッドが効かない(限界)はロッドが真っ直ぐな状態になった時です。撓みが無くなれば動く事ができなくなるただの棒になります。この限界が来るのが早い状態のネックがリペアをやっていてとても多く出会います。



    日本という楽器にとって大変な気候は2wayが便利です。もちろん長所があれば短所もあります。

    Bの2wayタイプは質量があり重くなるので鳴りや響きが変わってしまいます。音が変化するのは事実で、この辺りは音の好みです。

    最近はチタン製トラスロッドが発売されたり、こだわるなら1から素材を厳選し作る事からです。

    音か?機能性か?と問われるトラスロッドですが、それは好みで選べば良いとして大事な事はいかに上手く仕込めるか?です。大事な部分なのでしっかり仕込めるかが重要な部分です。

    見えない部分なので難しいですが、ロッドがよく効く楽器は「見えない部分もちゃんと作られてるな」と安心します。誤解が無い様にですが、硬い材で作ってあるネック・太いネック・仕込んだ補強材が強いネックはロッドの力だけであまり動く事ができず効きが悪いと勘違いしやすい部分なので、そこだけはご注意下さいませ。

    ギターもベースもネック反りは永遠の悩みになると思いますが、それらの調整が上手くできる様に丁寧にクラフトマンは今日もどこかでトラスロッドを仕込んでおります。


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    DSC_2301
  • Lilytail 製作 その3

  • 2015/07/23
  • Category:
  • DSC_2301指板を貼るまでの予定でしたが、ヘッドのデザインを材に起こしてみた所、なんかしっくりこないのでデザインを変更しました。

    ドツボにハマるってやつですね。

    新しいのを産み出すってとても難しく、考えて悩んで書いてみても出てくる言葉は「う~ん…」。

    書いては消してを繰り返し、結局決まらないまま予定してた指板接着まで行えず本日終了。

    こんな日もあるさと、帰宅後も考えては紙に書いての繰り返し。

    しっくりいくデザインが決まるまで進まないかもしれませんね…

     


    DSC_2297
  • Lilytail 製作 その2

  • 2015/07/22
  • Category:
  • DSC_2295

    ヘッドトップに突き板を貼るので端材を探したら良いサイズのウエンジがあり、製材♪

    厚みがありそのまま削って使うには勿体無いので、バンドソーで縦に割って使います。そうすると突き板を2枚に増やせます♪DSC_2296

    プレーナーで厚み出しです(^^)

    機械って本当に便利です。

    今まではボール盤とルーターだけで作ってて、手作業がメインでしたが新店舗になり必要な機械が全て導入された事でかなり作業効率が高まりました♪DSC_2297

    カンナ等、道具も使う前にメンテ。

    カンナ台は木材なので反ったりします。

    これらも定期的に手作業で直してましたが、サンダーで数秒で直せて本当に楽になりました。DSC_2298指板にはエボニーをセレクト!

    ヘッドトップ突き板を接着する写真を撮り忘れていました…

    作業ペースが早いので良い感じに進んでおります♪

     


    DSC_2282
  • Lilytail 製作 その1

  • 2015/07/20
  • Category:
  • DSC_2282

    新たに作るのは6弦ギターです♪

    名前はLilytailになります。

    製材して長い間寝かせていたホンジュラスマホガニーを使用します♪

    全然狂いもない状態でした。これなら問題ないでしょう。

    指板は迷っています…

    メイプルなのか、エボニーも使いたい…

    これは当分決まらなそうです…DSC_2288

    トラスロッドの溝&補強材の溝掘りました。DSC_2290

    耳貼りの為にサンダーで接着面出し。

    サンダーがあると本当に楽にでき、作業してても早さが分かります。

    あっと言う間にボディに進めそうですね♪DSC_2291

    耳貼りと補強材埋めです。

    この間はネックに触れないのでボディ材のセレクトへ。DSC_2292

    数が多い=組み合わせパターンも多くなり悩みます…

    back材はホワイトアッシュにするつもりですが問題はtop材。

    スタンダードにメイプルか、いやいやウエンジも使いたい…等、悩みます…DSC_2293そしてパドゥクのtop材も出てきてどうしましょうか…

    しばらくは材セレクトで悩みそうです…

     

     


    DSC_2268
  • FenderJAPAN ストラト フレット交換&指板反り修正

  • 2015/07/20
  • Category:
  • DSC_2268

    FenderJAPANストラトネックです!

    このネックは順反り過ぎなのとトラスロッドが殆ど効かないので動く範囲が狭く、順反りをロッド調整で修正ができず、更にはハイ起きとネジレがありリペアで直すには指板を削って直すリペアになるので高額になってしまうとして、新しく買ったネックに交換しこちらのネックは使い物にならないから持ってても要らないとして頂いた物になります。

    ずっと放置してるのも勿体無いので、丁度ストラトが欲しい!という方が居たので、直してボディ買ってストラトを作ろうと思います!DSC_2269

    かなり使い込まれ、フレットは減り指板すら指の摩擦で擦り減ってます。DSC_2271

    フレットを抜き、指板を削って反りを直します。

    ヒーターによる熱修正もありますが、ヒーターは過去に何度かやった事がありますが経験上一時的には直ったりするが後から状態が元に戻っていく印象なので、当店のリペアでは行ってません。完全に直すとの意味ではどこのリペアショップも保証はしませんし料金も安いので、ヒーター修正は直ったらラッキー位だと思ってます。

    DSC_2272

    サンダーを導入した事で作業はかなり楽に早くなりました。

    今まで手作業で何時間も掛かっていた作業がサンダーで数十秒、精度も機械ですから正確と、かなり作業効率が上がりました♪

    残りは手作業で指板調整です♪DSC_2276フレット、今回はジャンボフレットです!

    DSC_2279

    フレット打ち完了です!

    後はナットと、ボディを買ったら組み込んですり合わせし完成ですね♪

    指板も削って修正してるので、ボディのネックポケットによっては弦高が合わない場合、ネックポケットに薄い板を入れて重増しをするかもしれません。

    ネックが調整で直せない範囲まで状態が悪くなると、リペアで直すにしてもこの様に大変な修正と高額金額になってしまいます。

    日々の扱いは気を付けないと大変ですよ~!


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    DSC_2263
  • FenderUSA プレべ 調整

  • 2015/07/20
  • Category:
  • DSC_2263FenderUSAのプレべです!

    調整でした♪

    プレべって不思議なベースですよね。

    1PU、1vo1Toのシンプル回路なだけに本体の音が素直に出ますよね。

    プロの方でもシンプルな方が使いやすい、分かり易く音も良いと言う方は多く、ガルネリウスのSyuさんは学生時代に授業で関わる機会が多かったのですが、毎回口癖の様に「機材は何でもシンプルイズベストだよ!」と言ってます。

    プレべもリペアで多く触る事で、言ってた意味を感じる様になってきました。

    必要な物以外を付けない、これだけでも音は良くなりますね♪

    ありがとうございました!


    DSC_2259
  • 新店舗準備 その24

  • 2015/07/17
  • Category:
  • DSC_2259防音部屋もついに完成しました!

    内壁に吸音材のアクリアウールを貼り、床にはCPRスタジオさんから貰ったドラム用の防振シートを作業台の下に敷きました。

    後は見た目を良くするだけと、実際に機械を使って外からどれ程の防音効果があるのかチェックしないとですね。

    部屋全体の壁にも石膏ボードを貼ってるので外に音が漏れる事は無いでしょう♪

    防音部屋は同時に防塵にもなるので、ユニバーサルサンダーで削った粉塵が部屋内に蔓延するのを防ぐ効果もあります。

    さすがに粉塵が凄いので、それは助かります…

    新店舗もまだ仮オープン中ですが、そろそろ本オープンになりますね♪


    DSC_2255
  • Killer Fascist 弦交換&調整

  • 2015/07/17
  • Category:
  • DSC_2257 DSC_2255

    KillerのFascistで宜しかったでしょうか、常連のお客様からライヴが迫っているのでその前にバッチリ仕上げてほしいとの依頼です♪

    台風の影響により2日間営業ができない事を想定し不安でしたが問題無かったので助かりました。

    DSC_2256

    低い弦高にも攻め込めて良いギターです♪

    パーツが深く落とし込みされてて弦とトップが近いのもメーカーのコダワリを感じます。

    ライヴ頑張って下さい!

    ありがとうございました♪


    DSC_2249
  • FenderUSA プレべ ナット溝調整&フレットすり合わせ

  • 2015/07/16
  • Category:
  • DSC_2247

    DSC_2249

    FenderUSAのプレべです!

    今回はナット高が高く弾き難いのでナット溝調整と、ネックがハイ起き+ネジレと減りにより弦高が高い状態じゃないと音を出すのも厳しい状態です。

    今回もバッチリ直します!

    DSC_2250

    古いベースなので状態が悪くてもしょうがないかもしれません。

    経年変化による状態の悪さもあると思います。

    DSC_2251

    すり合わせをして状態チェック。ナット溝も適切な高さに調整。

    トラスロッドの効きが悪いので調整の範囲も狭く大変です。

    弦を張ればネックはかなり動きネジレます。その状態を確認し、弦を張った状態を考えてすり合わせを再度行いました。

    トラスロッドも限界まで回し切ってやっと調整できる状態なので、今後は扱い注意です。

    DSC_2252

    状態チェックがOKになり、丸め磨き完成です!DSC_2253フラットワウンド弦もなかなかオイシイ音色です♪

    かなりベース本体にマッチしてます♪カフェやバーの静かな空間に流れる曲のベースに最高かもしれません♪IMG_20150716_074035

    完成です!

    あれだけ状態が悪かったのがバッチリ直したので弾きやすい弦高まで下げれて音詰まりも無くなりました。

    古い楽器程、状態が悪くなってるパターンは多いので使う場合はリペアは必須になってくるでしょう。

    状態が悪くても諦めないで、リペアに出してみるのをオススメします♪見事復活しますよ♪

    ありがとうございました!