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  • Gibson ES-175 ネック折れリペア
  • 2018/04/28
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  • DSC_1131Gibson製SE-175のネック折れリペアです。

    どうしてもボリュート無しマホガニーネックは倒れた衝撃で折れ易い状態になっています。万が一折れてしまった際は気持ち的にショックが大きい事なのは分かりますが放っておいても自然には直りませんので割れ口が変形しない内に早めに直す事をお勧め致します。

    接着後はセットアップし完成です。よくネックが折れて直した後の音が良くなる話がありますが、以下は自分の説ではありますが正しい事と思います。良くなると言うよりは「変わる」が適切でしょう。具体的な音が変わる理由としてこれらが理由じゃないか?と思う内容になります。

     

    ①折れて繊維が分断され、ネックの弦振動伝達に変化が起きる事。

    ②ヘッドの根元の強度が接着剤により上がる事によってネック剛性が上がる事。

    ③接着剤の水分を吸い、木材の乾燥具合に変化が起きる事。

    ④折れる前のセットアップ状態が良くない。

     

    ざっくりとこれらが上がります。①は折れて材が分断されますからセットネックだとヘッドからボディまでの弦振動の伝達がしっかり接着するとはいえ全く以前と同じ状態になるとは考え難いですから、折れる前と違う振動伝達になっているとして音が変化する考え方です。

    ②はベースのメーカーでレイクランドを見ると分かり易いですがヘッドの付け根、ヘッド表からネック・指板へのライン部分は弦振動を安定させる大事な部分の為、Fenderの様な大きなRで形を付けると強度が落ち弦振動でネックが暴れ易い事から強度を持たせたい部分の為、この部分付近が接着剤の性能で元よりも強度が上がったと仮定すると折れる前より強度が上がり振動伝達にロスが少なくなり特に低音が良く出てくるとした考え方です。ボリュートの有り無しでもこの音の違いを感じる事と思います。ギターは高域楽器として鳴りが良い方向に持っていきたい所もあるのでボリュートを無くし強度を落とした方が結果的なサウンドが良い方向へ行くのかもしれませんが、この場合だと折れ易いネック構造となってしまいます。

    ③は接着剤の水分を吸い、その部分が重くなるとした考え方です。接着剤程度で重量に変化を与える様な大きな変化はまず有り得ないレベルではありますが、ヘッドに重りを付けると音が変わる事は皆様知っていると思いますがそれに似た作用が接着剤の影響で起こっていると過程した説になります。ドラマーは分かり易いかもしれませんがスネアにガムテープ等を貼って好みの音に加減する事と思いますが、それと同じ様な効果がネックで起きていると予想した考え方です。接着剤により弦振動の抑制が働いて音が変わるといった考え方になります。

    ④はリペア前のセットアップ状態が良くない事から音質面で良くなかった状態の為、直した後のセットアップで大きく状態が良く変わり「ネック折れを直したら音が良くなった!」と錯覚する説です。ネック折れを直しただけで音に変化を与えないと仮定するならば④が当たるでしょう。

    これらの要素が発生し、ネック折れをリペアしたら音が良くなったと感じる事と思います。自分の楽器は自分が一番良く分かっているはずですので、自分が感じる感覚は本物だと思います。自分が感じる感覚を信じましょう。ネック折れは少なくともぶつけたり倒したりしなければネックは折れたりしませんので、自分のギターが折れ易い条件がある場合は気を付けて使っていきましょう。

    ありがとうございました♪


    ~今回のリペアプラン~

    ・セットアップ・・・3000円

    ・ネック折れリペア(接着のみ)・・・10000円


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    ギターリペア工房 Draw a New Sound

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