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  • トラスロッドホイールナット増設 ロッド調整簡略化改造
  • 2017/08/10
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  • Fenderタイプ等のトラスロッド調整位置がヘッド側でなくボディエンド側にある場合、ネックを外さないと調整ができない仕様になっています。

    これらは調整時にネックを外して「今の反り状態ならこの位回せば丁度良い具合になるだろう。」と経験を活かして回し、改めて組み直して弦を張って確認する作業になります。上手くできてなければまた同じ様に繰り返し、がFender系ネックのロッド調整です。

    日本製ギター・ベース等のトラスロッド調整は仕込みが丁寧ですので動かせば動かした分だけ動くといった感覚です。その為ロッドが効く範囲も広くちゃんとメンテナンスしていればロッドが限界になる事も少ないと思います。ところが海外製ギターはロッド仕込みが上手くできていない場合が多い様で、ロッドを回しても全然動かない状態の物が多くあります。日本製と比べると海外製等のロッドは国産感覚で言う所の2~3倍多く回した位が同じ位動く、といった印象だと思います。その為ロッドが効く範囲が狭く、大きく順反りすると調整してみたらロッドが限界になる場合も起こり易いので注意が必要です。

    そしてアーティストに付きっ切りのLiveやレコーディング現場での仕事ともなってくると「場所が狭いからネックを外す行為自体が大変」だったり「トラブルにより機材を持ったアーティストが遅刻、でもリハーサルや本番の時間は決まっており変更できないので急いで調整して!」と言った状況も当たり前の様に起こります。


    ロッドが全然効かない状態のネックを外して調整するタイプは何度か繰り返し作業が必要になるので時間が無い状況の現場は非常に辛い事になります。リペアマンやテックの泣き所(実際に現場お仕事で自分も体験済み・・・)ですが、ネックを外さないでトラスロッドが調整できる有難さは現場仕事をしていてかなり恩恵を感じます。DSC_4303

    話が長くなりましたが、ネックを外さないとロッド調整ができないネックの為にESPさんからトラスロッドに使うホイールナットというアイテムが販売されています。このパーツが入る様にボディにザグリを空けてトラスロッドの六角調整穴に取り付けるだけでOKです。Musicman等はこちらの仕様とは違いますが古くからホイールナットを採用していますね。

    現場仕事をしているアーティスト様もギターの状態を理解できている人も増えてきており助かっておりますが、こうしたホイールナットを取り付けて自分が居ない現場でもある程度はロッド調整ができる様にしておきたいとして取り付けをお願いするアーティスト様も増えており嬉しい限りです。DSC_4335 便利なアイテムで取り付けて損は無しですので今回は撮影用に自分のギターに増設してみる事にします。取り付けの際は5mm程度の隙間が必要です(PUが干渉する等)。ギターの仕様によってはパーツをバラして作業する事もあります。DSC_4336ザグリを空けて取り付ければネックを外さないで調整できる仕様に早変わりです。

    増設の際は面倒に思うかもしれませんが、ロッド調整も年に何回かネックを外して行ったりすると思えば最初の作業だけですので後々の調整がかなり楽なギターになります。現場で調整する必要が発生する状況がある場合はこうした改造もお勧めです。現場で調整の時間短縮や弦を張ったまま調整できるので調整精度もシビアに詰める事ができますよ。

    長々読んで頂きありがとうございました♪


    ~今回のリペアプラン~

    ・ホイールナット増設・・・5000円


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