- これで良いのだろうかGibsonのDEAN起訴事件の話
- 2019/07/01
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関連動画「これで良いのだろうかGibson。Dean訴えによる暗くなっていく楽器業界の話 ギタークラフトマン&ギターリペアマンの話 Vol.123」
Youtubeの方で先にお話していましたが楽器業界で衝撃のニュースが出てきました。
大手Gibson社が同じくギター製造ブランドDEAN社のギターが似た形のギターを販売・製造している事で権利を侵害しているとの事で起訴が起きている様です。
多くの方もSNS上で意見が交わされていますが、私自身も「何を今更・・・」といった気持ちです。
Youtubeで語っておりますが、ブログの方でも改めてまとめた記事になります。
1.何故この事が起きたのか。経営難からの苦渋の選択?
やはり今までこうした事が無かったので衝撃だったと思います。
Gibon社自体も2018年5月にて破産申告をし、その後は別会社に買収されている状況になります。
老舗メーカーである事から楽器の形状は恐らく1番先に当社が作ったので権利はこちらにある、と言えば確かに正しい事になるのかもしれませんが、日本でも70年代に日本の楽器メーカー企業に裁判を起こした際に負けている過去があります。ウィキペディアの情報では商標登録が既にされているから等の理由がありますが「楽器の形状に著作権は発生しない。」とあった様な気がします。
結果としては今までメーカーを訴える様な大きな騒ぎは起こっていない様に思います。
似た話でFenderにはヘッドの形に商標登録がある様で、それが理由でFender製品のコピーブランド全般はボディ形状は殆ど同じに見えてもヘッド形状はどう見ても似つかない形になっています。実際にFenderからヘッド形状が似たメーカーに注意を受けたメーカーがある様で、それを無視したあるメーカー系列の店舗に今後Fenderは一切取引をしない等の処置をしたと記憶しています。
Fenderは業界に及ぶ力が強い為、Gibsonと同じくFenderも昔は日本メーカーの起訴で負けている経験があり日本ブランドを恨んでいる?のか、日本メーカーがFenderのコピー製品で海外に進出する物ならFenderの圧力が掛かる様な裏話もありますが実際に本当の話かまでは分かりかねます。
2.Gibsonは経営難?お金に困っている?
買収された会社からの指示なのか、Gibson社自身の判断なのかは不明ですが今更ながら他メーカーを訴えるのもまた不思議な話です。余程会社が追い詰められている状況なのでしょうか。
実際に破産と買収された位ですがメーカー自体の品質も低下している傾向な事、潰れる前は工場を売却に出していた事、過去に自社で偽物のコンデンサを作って高額で販売していた事がバレて炎上していた事(Youtubeのお話を参照)、過去に何度も買収されている事(Turn it upの動画を参照)が上げられます。
恐らく今回の他メーカー起訴で手っ取り早く賠償金という形で多額の資金を得る?を目的としているのでしょうか。
というよりこの件が通ってDEANが負ける形になった場合、世の中のギターメーカーはFenderとGibson製品のコピー製品を販売して成り立っているメーカーが多いので、この裁判でGibsonが勝つと殆どのブランドは訴えられたら負けの状況になりコピー製品は販売できなくなると思います。
現在の販売ラインナップを自主回収してギターを全てオリジナル形状に変更する必要があるかもしれません。
そんな大掛かりな展開に掛かる費用がある大手ブランドなら良いのかもしれませんが、それでも経営に大打撃→倒産する楽器企業が大量に出る結果に繋がる事と予想します。この1件で済むはずが無く、勝てば次のブランドをGibsonが訴えて潰していく事でしょう。
そしてこの件が通ると分かれば今度はそれを見たFenderが同じ様にコピーブランドを訴えて潰していく流れになると思います。あくまで予想ですが、この流れが通ると世界的な楽器メーカーの大量倒産が見える気がしてしまい結果として楽器業界の大きな衰退とFenderとGibsonの独占市場になる恐れがあります。
オリジナルブランドのみで成り立つメーカーは生き残ると思いますが、世界的にもそれ程オリジナルだけで販売しているブランドは多くはないと思います。3.何故にDEANを起訴?
多くの人が思っていると思いますが何故DEANなのでしょうか。確かに似たギターはありますが他にも多くのメーカーが上げられます。
恐らく勝てる見込みがあるブランドの中で偶々コピー製品が多いDEANが目に付いたと思いますが、Youtubeでも語りましたがGibsonが潰れる際にNAMM Showにてこの機会を待っていたかの様にFenderとShurがGibsonのコピー製品を出してきた件等でGibsonは怒りを感じなかったのでしょうか、私がGibsonならこのメーカーをまず先に標的にする事と思いますが・・・。
恐らく上記にもありますが業界の力関係で裁判で不利と判断した事と思います。
4.どうしたら良いのでしょう?
この業界をざわつかせる動きをどうすべきなのか、恐らく今後全てのコピーメーカーが標的となってくると思います。
Gibsonが勝ってしまったら実質上はコピーブランド達は今後は販売ができない問題が出てきますので小さな楽器ブランドは消滅に追い込まれ業界の大幅縮小が考えられます。
どちらに正義があるのかは分かりませんが、多くのメーカーを倒産に追い込みかねない業界衰退に拍車をかける事になる恐れがあるのでこの件が通る事が無い事を祈るばかりです。
私個人の発信で何も良い流れに変わる事とは思っていませんが、メーカー1つ1つが発信でこの件に反対する意見を出していくべきではないでしょうか?
特に日本メーカーはコピーブランドも多いので今後は国産メーカーが危うい状況になると思います。メーカーが団結して、改めて楽器製作に制限や権利等は無いという自由を主張した方が良い様に思います。
読んで頂きありがとうございました♪
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