- トラスロッドの余り量を確認するついでに自分のネック状態を確認しよう
- 2023/05/27
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前回の動画やブログ記事も参考にして下さい。
ブログ記事
~まずはネック反りの初期状態を確認する~
今回もYoutube動画を元にした記事になります。今回の動画は自分の7弦ギターを元にトラスロッドの余り量を確認する方法を説明しております。
誤解が無い様に最初にお伝えしますが、この7弦ギターの状態が良過ぎるので誤解が起こるかもしれませんが「この状態が普通」と思わないで下さい。
ネックの状態を確認する為にまずは弦をダルダルに緩め、トラスロッドを完全に緩めた状態が現在の反り状態です。
これを無負荷状態とします。この状態にしてチェックすると分かりますが多くの楽器はネック自体が結構順反りしています。
この状態から弦を張ると更に順反りする訳で、これを真っ直ぐにする為にトラスロッドを多く回す事となります。
つまりは調整後には余裕が少ないという状態になる、こうした楽器が世の中に多い事を知って下さい。それにプラスしてトラスロッドの効きが良いか?悪いのか?でも限界度合いが変わってきます。
~どれだけネックに強度があるのか?~
ここからのチェックとして、弦を張ったらどれだけ反るのか?をチェックします。
当たり前の事ですが弦張力は非常に強い力の為、弦を張れば順反る事は想定されておりおかしい事ではありません。
つまりは弦張力にネック強度が負けて順反りする事自体はおかしくありません。当然の結果です。この順反り具合が極端に大きい場合、ネック強度が弱いと判断できます。
この状態からトラスロッドを回して逆反りの力を発生させていき、ネックをストレートに調整していきます。
多くの方が誤解していますがトラスロッドは逆反りさせる機構であって補強目的の力は発生できません。
補強の場合はトラスロッド近くに溝を掘って補強材を仕込みネック強度を上げる加工が必要になります。この状態で分かる通りで最初の調整でトラスロッドがある程度は回さて調整されます。
ネック強度にもよるので全て同じにはなりませんが通常のメイプルネックだとギターで2~3割、ベースでは4~5割位は使われる事もあります。
新品のこの時点でトラスロッドの余り量が減っている事を知って下さい。「新品=トラスロッドの余り量が100%」ではありません。
その後は木材の変形で大体は順反りします。その修正でトラスロッドを使うので結構簡単にトラスロッドの余り量は残り2~3割になっている事も全然有り得ます。
こうした事を知り、トラスロッドの余り量が100%に近いのであれば万が一逆反りが起こると困るので弦を張りっぱなしにしておく理屈が成立します。
上記の理由から大体は元のネックが順反りしていて更にロッドにも余裕が少ない物が多いので、昔から弦は緩めた方が良いと発信している訳です。
逆反る事はラッキーです。逆反りしたら喜んだ方が良いです。
順反りしていた物が逆反りしたのでしたら元の真っ直ぐな状態に近づいた事、良い状態に戻ったという事です。多くの楽器は上記の状態の物が多いので、逆反りさせる様に努力し管理していくと言っても間違いはありません。
~トラスロッドの効き具合を知る~
無負荷状態で反り具合を確認した後は実際に限界まで回して確認してみましょう。
この効き具合が重要で、余り量が多くてもロッドを回しても全然動かないなら限界状態と変わりません。
ロッドの余り量も大切ですが効き具合も大事です。この辺りは実際に回して確認しないと分かりません。
そしてメーカーにより全然効かない物も多く、少しの順反りも致命傷になる事も少なくありません。
そもそもが上記の理由でロッドの余り量が少ない事が多い訳で、新品で購入した物で順反りした楽器を調整しただけでロッドが限界になったパターンが年々増えてきているのが現実です。特に特別な事も無く、普通に溝を掘ってしっかりと形に合った埋め木を作って接着すればちゃんとロッドが良く効くネックが作られます。
効かない理由はこの辺りが非常に雑に作られている事。
ましてや工場はNCルーター(自動機械生成)なのでこの辺りの設定数値が酷いのか、ロッドを仕込む人達が下手くそ過ぎるのか理由は分かりませんが効きが悪い物が多いのは事実です。日本製はロッドの効きが良い物が多いので、長持ちすると判断しても良いでしょう。
ただし例外はありますが、この場でメーカー名の表記ができないので過去のブログ記事を読んで勉強して下さい。~ネックの反り調整~
動画でも「カチカチ」と言っておりますが、説明が難しくカチカチとしか言えません。
よく「はがき1枚分」とか言われますが、適当過ぎる言葉です。
はがき1枚なんて当てになりません。はがき1枚分はただの順反り状態です。カチカチの音で判断します。もちろんこれにはフレット状態が良い条件もありますので楽器により変わります。
カチカチの音が大きい場合は隙間が大きい、カチカチの音が小さい場合は隙間が狭いという事。調整具合は好みの問題です。
動画の7弦ギターはトラスロッドのナットが完全に緩んだ状態でレギュラーチューニングし僅かに順反った程度(反り調整がOKレベルな状態)です。
こうしたチェックを踏まえ、弦を張ってこうした状態のギターと分かった場合に限り「弦は張りっぱなしで良い」と言えます。
誤解が無い様に何度も言いますがこうした状態が良い楽器はかなり特例です。
~状態を知ったら~
恐らく大半のギターは順反りしていて、調整後はロッドに余裕が少ないと知る事でしょう。
知れば対策ができます。弦を緩めて保管しましょう。
余りにも余裕が少ない場合は逆反りさせる努力をしないと、これから順反りする事が危険で将来長持ちしないネックとなるので湿度を上げて保管してみる等を試して下さい。
時間は掛かるかもしれませんが、直る可能性もあります。チェックした恩恵として経験ができ今後にも活かせる事、自分の楽器状態を知る事、私が言ってる事を理解できる事になります。
私のYoutubeは「信じて下さい!お願いします!」というスタンスではやっていません。
答えは自分で試して確認して下さい。
文句を言うのは自分で行動し試して確認してみた時に初めて発生する権利です。
試して確認した事が無い人に文句を言う権利はありません。
行動し確認すれば、自分が言っている事を理解できるはずです。最後に余談ですがYoutubeでも上げている「叩いて音を良くする方法」にて「トラスロッドの当たり具合が叩いて変わるだけなのでは?」や「トラスロッドの入っている所だから叩き音が違うのでは?」という、これも分かり易い自分で試していない人達のコメントがありますが…。はい、自分の楽器を使ってチェックして下さい。
トラスロッドが入っていない部分でも鳴りが違う所がありますし、ボディ等も自分で叩いて確認して下さい。
自分で確認もしていないのにコメントでアレコレ言うのは辞めにしましょう。読んで頂いてありがとうございました♪
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