- 木材の「ウソ」。所詮はビジネス、情弱用の単語。
- 2024/02/03
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「厳選した良い木材を使用しています!」「希少材を使用しています!」
そうした単語を沢山目にしてきた事でしょう。
結論ですが、音質にこれら要素は関係ありません。
使用したら必ず音が良くなる要素ではありません。一応最初は皆様の考えに寄り添って分かり易く洗脳を解いていこうと思いますが、例えば皆様が音が良い物として共通ワードである「ヴィンテージ楽器」がそうした厳選した木材で製造されていたのでしょうか?
ネック杢は普通に板目も多いですし、現在の製造精度と比べ丁寧か?と言われたらそうでもなく当時にエレキギターベース楽器の音が良くなる木材云々の知識が豊富にある様には思えません。
機械がそこまで自動化されていないので実質手作業になっているので従業員の個体差もある事でしょう。
今とは異なる、素材の質が大きく異なるからこそ産まれた知識と思います。そもそも「良い音」は非常に曖昧な基準です。
私が良い音と決めた音が良い音なのか?業界の偉い人が良い音と言ったら良い音なのか?
そんな基準は一切ありません。あなたがこの楽器は良い音!と決めたら成立します。
音は料理の味の好みと同じです。一応私の音が良い基準として毎回2パターンあると言ってますが、趣味用なら自分が好きな音がする楽器を選べば良いし仕事用(自分以外と音合わせする全ての要素)で使用するなら癖が無く音をコントロールし易い楽器が良い楽器になります。
では何故にここまで言ってる事が皆違う事と、共通して「ヴィンテージ楽器が良い」「高額で有名な楽器が良い」とされているのか?
答えは簡単、ビジネスだからです。本気で思って言ってる人は情報に洗脳された人達だからです。そして成立する理由もこれら音の良し悪しに基準が無いからこそ、アレコレと突っ込まれてもいくらでも言い訳ができるから破綻する心配が無いのです。
~実際に作れば分かる話~
当然ながら経験値の差は人それぞれです。
一度でも楽器を製作してみた人、オーダーで楽器を作ってみた人なら分かるでしょう。
もちろん、たまたま最初の製作した1本で物凄く良い物ができたパターンの人も居る事でしょう。あくまでこれら経験に基づく話は私の話ですが、私自身がクラフトマンなのでいろんな形状、いろんな木材を使用しラミネートしてみたり等と製作してみた事があります。
ギターベースを製作していて経験が溜まってくると、一番先に思った事として「丁寧に作ったからといって必ず良い音になる訳ではない」という事です。
その次辺りに好奇心で材質を変えて製作してみて「ギターベースの材として珍しい特殊材はそこまで音が良くない物が多い傾向」です。
そして「普通が一番良いのでは?」に行き着きました。これら音を良くする製作要素に私には知らない要素があるとするのでしたら、是非とも話題にあげて私を叩いてほしいです。
その確証的な根拠がある良い楽器が作れるなら自信を持って「気に入らない場合は全額返金します!」とか「気に入らなかったら作り直します!」と宣言してオーダーの仕事を受け付けて下さい。
私には無理です。
実際に完成させるまで、どんな音がするのか未知過ぎます。
あくまでも経験から来る予測の上でしか製作をスタートできないので、完成させてみて思っていた通りになる事もあれば全然思っていたのと違う音がする楽器になる事も普通にあります。私も実際に経験が溜まるまではこうした業界で言われる事を信じていたので、頑張って丁寧に作れば音が良くなる事や良い木材(と言っても根拠や証拠が無い)を使用すれば音が良くなると思い製作を続けていましたが、結果と共にウソじゃないか?と思う様になりました。
~音が良い木材の特徴~
ギターベースは「バランス楽器」だと考えます。
バランスと言って理解できる人は殆ど居ないと思いますが、硬い所があれば柔らかい所を作って偏りを無くすと言えば伝わるでしょうか?
ネックは長く使用する意味もあって必ず剛性が必要になります。この辺りは過去のブログ記事やYoutubeで説明しているので勉強して下さい。
「勉強して下さい」と単語が出てきましたら「過去に詳しく言ってるよ、自分で探して調べて下さい」という意味です。ネック剛性が高まるとどうしても音がタイトになる傾向になる為、打ち込みっぽい正確過ぎる音の傾向に寄っていきます。
理想的な事として補強材を使用せずネック材だけで強度を稼げる事が楽器っぽさのある音が良い傾向になります。
ただし今はこうした「強度が充分にある材」が物凄く少なく、いや、もう無いんじゃないか?位まで思っています。新品でもトラスロッド限界・トラスロッドに余裕が無い物が多い理由は単純でネック材に剛性が無いからです。
それらを分かっててもメーカーは買った人が泣きを見たとしても関係無く製品を製造して販売しています。現代は基本的にネック内への補強材は必須です。
理由は木材の強度が弱く長持ちする楽器を作れない可能性が高いからです。
これらを可能性として表現しているのも、実際に木材から切り出してネックに製作してみないと正確には強度を確認できないからです。
完成後に分かっても遅いので、破棄して作り直すなら良いですけど製作側はそんな事はできません。
ネックが柔らかい前提でその対策はしておかないといけません。
安物ならまだ良いですけど、高額な物がたった数年で使い物にならなくなってはダメです。ネックはこれら要素から硬い部位になります。
そのバランスと言っていた要素として「ボディ材は軽く柔らかい物」を選ばないといけません。結局「音は好み」で片付けられるので、ここでは私の考えで話を進めますが例えばホワイトアッシュボディに音が良くない物が多い理由がこれに当たる要素です。
硬いネック+硬く重いボディは楽器全体が良い振動を起こせず、音はタイトで広がりが無いので打ち込みっぽい楽器っぽさを感じない音の傾向になります。
ベースはまだ弦が太く弦振動がギターよりも大きいのでまだマシかもしれませんが、ギターだと言ってる事が分かり易いと思います。これで分かる事としてバスウッドが反対の例で分かり易いでしょう。
バスウッドはこれら要素の理由から「音が良い材」です。
しかし安物で音が良く売れてしまうと業界は儲からず困るので、根拠が無いのに昔は「バスウッドは音が悪い、安物に使われるダメな材」としました。
楽器業界も一般メディアと同じく偉い人が言う事の反対が正しかったりする事も非常に多いです。悪いと言われている物が実際は良かったりする例も多いです。
何故にそうした事が起こるのか?簡単です。ビジネスだからです。
殆どがそうと思いますが「あなたの為を思ってこの仕事をしています!」って所はかなり少ないです。
だからそうした少数派のメーカーを勉強して見極め、利用していかないといけません。
私から見て楽器業界は良い所が儲からず、悪い所が儲かっている様に見えます。良い楽器を作りたいなら、あくまで自分の経験から「自信を持ってこうしたら結果的に良い物が作れる可能性が高い要素」としてこうした要素をお勧めします。
そうすると普通の仕様はかなり理にかなっている事が分かるはずです。ここに「特殊材だから」や「高価で希少材だから」の要素は全く関係ありません。
結果的にこれらバランス要素を考えて使用するなら良いと思いますが、この材を使用したら特別何も努力せずとも音が良くなるとだけは思わないで下さい。~普通の良さ、厳選した木材って何?~
「メイプルネック+ローズウッド指板+アルダーボディ」の楽器が多い理由は簡単です。
安い木材で音が良い楽器が作れるからです。説明もありましたが、いろんな仕様で作ってみて普通が一番良いと思います。
灯台下暗しって分かり易い表現です。そこら辺に普通にある仕様が一番良い仕様です。厳選した木材とはメーカーが具体的に表記する必要があります。これらが良い木材要素です。
・長い期間、放置して保管していた事が分かる木材
・長く生きた木材から切り出した木材
・放置中に狂いが出てその後に安定した材「良い木材が無い」という言葉も過去に発信してますので勉強して下さい。
長く自然な方法で育った木材はもう世の中にかなり少なくなってきたと思います。
植物を育てるのに肥料を使う位の知識はあなたでもある知識と思いますが、今は化学物質を使用した強制的に成長を早める様な薬剤が使用される話もあります。
所詮ネット情報から得られる事ですが、実際に豚や牛に成長ホルモン剤があって使用されている訳で、それに似た物が植物にある訳無いだろ!って言えるだろうか?
それらで大きく成長した木材は大きさはあっても質量が伴わないので、結果的に現場ではネック強度が弱く新品でもトラスロッド限界・トラスロッドに余裕が無い楽器が年々増加していく傾向です。
結果を見て物事を考えましょう。
本当の答えがどうとかは問題ではなくて、何かしら強度が弱くなる理由はどこかにあります。
業界の商売に悪影響を及ぼす情報はまず出てきません。そして木材は一般的な所だと「何十年も育った木から取った材」と表記して売ってません。
「切り出した後から●年放置した木材」があっても本当なのか証拠がありません。
「狂いが出た後で製材した木材」と言ってもこれから新たな狂いが出てこないか確証は持てません。厳選した木材を本当の事にするのであれば信用できるメーカー、または自分で木材を買って何十年も所持した後で使用する事だけです。
シーズニングという言葉も結果的に「製造前の準備、狂い出し」です。
木材は動きます。ずっと動く物もあれば一定の狂いが出た後であまり動かなくなります。ずっと動くパターンも簡単で「ネック強度が無いから」です。
弦の張力で張って放置していると順反りしてくるので弦の張りっぱなしはNG・緩めているとトラスロッドの力で逆反りしていくので緩めるのもNG等、これらはネック強度が弱いから起こるのです。
強度があるなら、木材の時点で狂いが出て動いたその後に製造したネックは反りが安定する傾向になる事が多いです。
これらを省くと完成後に大きく狂い動いて困ってしまう可能性が高くなっていきます。
またこれら要素に関係無く乾燥や湿気で木材は変形する事も覚えておきましょう。これで分かったと思いますが「良い物を作ろうとしたら手間と時間が掛かる」です。
多くのメーカーは現在の結果に基づいて言いますが恐らく本気でやってません。
やってる所の方が少ないでしょう。
ただ理解はできます。手間暇を掛けてもそこまで高額で売れないし、見えない所だからウソ付いてもバレないし、そもそも買う側の殆どが素人だから分からんだろうという事です。製作過程がブラックボックス化された商品という物を成立させている環境に問題がある、そうでなくそこについて何も言わない思わない消費者が悪いと思います。
本当の事を公表しないメーカーからは買わない、下手な酷い商品を売るなら不買運動が起こって困る位の環境にならないとメーカーは良い物を作る努力をしませんし買った人が泣きを見ようが自分達の利益が優先されます。
一人一人がこうした環境を作った責任を感じてほしいです。
自分の人生が関わっているのに環境に対し無関心で何も思わず考えず行動しない無知が産んだ結果です。
こうした情報発信で気が付いて考え方を改め、自分の行動に起こして下さい。
いい加減にそろそろ良い仕事をしている所が儲かる様に環境を直して下さい。~木材製品は今後危険?~
木材で製造する以上、素材として不安がある物です。
木材状況がこうなんだから対策するのは当たり前、対策してないなら問題が起きた場合にどうするの?と買う前に確認しないといけません。いずれは楽器製造として強度面として木材の使用は難しくなってくるかもしれません。
まだ未来の話かもしれませんが、現在の現場状況としては全然有り得る話です。
今は補強材を仕込む等で対策していれば問題無いかもしれないですが、木材の強度が今よりも低下する様なら木材に代わる新素材の使用も考えないといけません。そこに至るまで、きっと多くの方が泣きを見る事でしょう。
買ったばかりの高額な楽器のネックが短期間で限度を超えた反りにより困る事になるでしょう。
というより今現在でも多いですので、今後はもっと増えるでしょう。
こうした事も他人の責任にしないで下さい。私は昔から発信しています。勉強して下さい。
そしてこうした製品を何も疑問に思わず、現状の調査すらせず販売しているメーカーに異議をSNS等で自分から発信し申し立てて下さい。
そうしないと現状は変わらず、結果的に自分が買う楽器にそれがいずれ当たり泣きを見てもあなたの責任です。
一人一人が勉強して、環境のダメな事を変えていく努力をしよう。自分だけでなく周りや未来の世代の為にも。
楽器業界だけでなく国等に対しても同等です。
無知の人・行動しない人の割合を減らしていかないと環境は良くなりません。ありがとうございました♪
〒114-0014 東京都北区田端1-21-3 エーデルワイス101ギターリペア工房 Draw a New Sound
東京都 山手線 田端から徒歩2分 どこよりも早いリペア早期仕上げ対応可能のリーズナブル料金&丁寧な作業のギターリペアショップです♪
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