月別アーカイブ: 2015年7月

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  • 木材のストック

  • 2015/07/03
  • Category:
  • DSC_2134



    我々ギター工房は必ずと言っていい程、木材のストックがあります。

    製作が無い工房はストックしないかもしれませんが…

    木材=資源とブログで書きましたが、木材=限りがある資源であり、その中での良い物には更に限りがあるので見つけたら買って保管しておくのがギター業界です。

    欲しいと思った時にはもう買えない状況になっていたり、買えるのはまだ良いがその中から良い物があるのか?と、入手はできるけど良い物には出会いが少ないのが現在の木材状況です。

    それは日本国内だからかもしれません。元々海外の木材ですから、海外での入手ルートを使って買った方が一番良いかもしれません。国内でも有名ではないかもしれませんがギター工房御用達な木材の入手ルートがあるので、頼る所は限られますね。

    それ以外は自分の足で海外に仕入れに行くかです。

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    当店DNSも今後の木材入手ルートとして相談した所、店舗に木材の現物を持ってきて相談に乗ってくれたりしました。キルテッドメイプルも販売してくれますしブラジリアンローズウッドだって稀少材でも何でも供給してくれます。とても有り難い事です。

    お金を払うだけで苦労する事も無く良い杢のキルトが買えるなんて…考えられませんね…。今はどこも良い杢のは「品切れ」ばかりですからね…探して探してやっと買える物です。

    キルテッドメイプルだとPRSの有名な話があり、木材業者が売りに出せばPRSが「ダメな杢のも全て買うから、全てウチに売ってくれ。」となるそうな…

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    木材=出会いです。そんな事言うと知らない人が見たら気持ち悪い奴が居ると思いますね(笑)

    しかし本当に良い木材は縁みたいな物で、出会ってしまったと言葉にした方が分かり易いです。「良い木材が無い!」と言われる業界ですが本当にそうなので、見つけてしまったら買ってしまわないと次の機会にはもう良い物が残ってなくて買えない!なんて状況はザラです。

    そんな資源を供給してくれる方との出会いや、良い物を作るのに必要な事は人との関わりもあります。何でも自分一人でやれる事なんてありませんね…。良い材を供給してくれる業者、木を育てた人、そして元である自然。恵まれている事に感謝して、今日も良い材を使って私はギタークラフトを頑張っております♪




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  • モガミ2534 オーディオケーブル製作

  • 2015/07/03
  • Category:
  • DSC_2131

    オーディオ機材を繋ぐケーブルを製作してほしいと工房地下のレコーディングスタジオCPRさんから依頼されました♪

    CPRスタジオ

    新しい機材が導入されると、それを繋ぐケーブルが必要になります。毎回頼んでもらえて嬉しいです♪

    ありがとうございます!

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    モガミ2534です。

    良いケーブルですよね♪昔は自分もギターで使ってました♪DSC_2133

    ケーブルの音質は好みがありますが、たくさん試して自分の好きなケーブルを見つけて下さい♪ケーブルに関しては高い物=良い物とは限らないと思っています。


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  • 資源

  • 2015/07/02
  • Category:
  • DSC_1705木材は貴重な資源です。

    永遠に取れる材はなく、何も考えず取り続けてしまえば木の成長と伐採の具合が全く合わなくなり、簡単に絶滅するかもしれません。

    木材は限りがある資源です。

    ギターは木材で作られますが、そんな貴重な資源を使って作られています。

     

    ギター業界で「高級木材」と言えば有名な代表としてブラジリアンローズウッドです。

    「いやいやキューバンマホガニーだろ」と言う人も居るかもしれませんが…ギターの事を知ってる人の中で一番有名な高級木材だろうと思い、今日のお話はブラジリアンローズウッドです。

     

    当時を生きていた訳ではありませんので、本等の資料やクラフトマンからの情報での話になってしまいますが60年~70年?代辺りではブラジリアンローズウッドは普通に使われていたごく普通の木材だった様です。安いギターにも使われる全く珍しくもない材だったそうな。今では考えられませんね。

    ある日、ブラジルから輸出規制がかかり、入手が難しくなってから価値が上がったのだそう。木材の価値は「稀少」により成り立つのかもしれません。

    そんな中、時が立ってブラジリアンローズウッドは絶滅するかもしれない所まできてしまいました。ついには「ワシントン条約」という輸出規制の法律により入手が物凄く難しくなってしまった木材になってしまいました。

     

    今あるブラジリアンローズウッドは規制前に残っていた物を取引し使っている様です。

    貴重な木材なので、価格も大きさを考えたら他の材との値打ち差も半端ないです…

     

    不思議とブラジリアンローズウッドが使われているギターベースは良い音がする印象があります。

    これは「ブラジリアンローズウッド指板だよ!」ってプラシーボ効果も含めなのか、多くのブラジリアンローズウッド指板のギターベースを試奏してるとハズレがなく、他のとは違う特別感を感じてしまいます。

    メーカー側も高価で名が知られた材を使って作るので、下手な物は出せない!とより力を入れて作っているのかもしれません。

    理屈より感覚を信じてますので、他と違う音響特性をブラジリアンローズウッドは持ってるのでしょうか。良い印象を感じてしまいます。

    こんな話をしていたら私もブラジリアンローズウッドで作りたくなってきます。個人で入手するのは数も少ないので選ぶ余裕がないのと一枚一枚が高価なのでなかなか手が出せる木材じゃないです。実物を触って確めてからじゃないと買いたくないので、ここは知り合いのクラフトマンの所へ売って下さい!と突撃した方が一番入手しやすいルートかもしれません(笑)

    音が良いから高額なのか、規制がかかり入手困難だからこそ高級ブランド材になって高額になったのか、それは名前の価値より実際に弾いて確めるしかありませんね。

    とりあえず入手から。そこからいきなり大変な訳ですけど…


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  • ブリッジ弦の角度 ナットの弦角度

  • 2015/07/01
  • Category:
  • ベースだとよく分かると思いますが、弦のテンションがちゃんとブリッジとナットにどれ位の力が掛かっているか?で音に違いが出てきます。



    ブリッジサドルの角度

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    Fender等でネックポケットにシムが入ったベース等はシムを取ったりするとそのままでの状態では角度が浅くなり弦高が高くなります。そのままブリッジで弦高調整するとサドルを大きく下げないといけない状態の物も多く、ブリッジ底面にサドルがベタ付けになってやっと希望の弦高まで低くできる等の物も中には沢山あります。

    この様なベースを触らないと試す機会がないかもしれませんが、サドルに弦の角度があまり付いておらず、適切なテンションがサドルにあまり掛かっていないと弦がサドル溝から落ちたりする場合があり、音がボヨボヨと張りの無いルーズな感じになります。角度がサドルにちゃんとかかっていると、タイトな音程感な音質が出てきます。ブリッジの弦を通る穴からサドルへの角度が真っ直ぐに近い場合はあまりサドルに力が掛かっておりませんので、音も柔らかい方向へシフトしていきます。裏通しを好むベーシストも多いと思いますが、サドルへのテンションが上がり音程感が良くなる事からこの傾向になっていると思います。

    勿論これらの音質は好みで合わせて問題ありません。ルーズな音程感のベースは低域が福与かですし、音程感のカッチリとした音質は音の形が見え易いですが打ち込みの様な無機質な音質に近づいていきます。どちらを好むか調整で合わせてみると良いでしょう。



    ナットの角度

    DSC_1250

    ナットはジャズべース等のヘッドでは3弦鳴りが気になる物も多くあります。

    1・2弦はテンションピンが付いてるので大丈夫、4弦はナットからペグの距離が短いので角度が付く。3弦だけペグ位置によりナットからペグへ向かう角度が真っ直ぐに近くなり、ナットへ掛かるテンションが不足し音がビビリ気味だったり他の弦と比べ柔らかい音質になりバランスが悪い様な印象になります。上記のサドウスキーの様な全ての弦の角度を統一する事もまた全体の弦の音質バランスを整える意味でも最適な構造です。特にベースは張力が強い為、ヘッドが起き上がる「ヘッド起き」が発生し易く、テンションが緩くなる3弦はこの原因によりもっとビビリが気になる固体も多く存在します。通常のベースでもそうですがジャズベース等のヘッドは3弦は多く巻く等して弦の角度を増やして巻く方が良いでしょう。現在のFender製品も3弦のみにテンションを増やす為の引っ掛けるバーが付いたモデルが多くなり、パーツ単体でそのワッシャーが販売されていますね。

    テンションピン・テンションバー

    またナットにテンションを与える為にテンションピンやバーを付ける等で弦の張りが変わった!等があります。

    太い弦等はナットにテンションピンやバーをただ付けただけでは弦が綺麗に折れ曲がらないのでナット溝内で起き上がる形になりローポジションでの弦高が高くなります。なのでテンションピンやバーを付けて弦の張力が変わった!と感じる事は正しいのですがそれはローポジション側の弦高が上がって弦高を上げた様な状態になるからそう感じる状態です。増設後に正しくナット溝の調整をして元の状態の高さに調整するとテンション感はさほど変わった印象にはなりません。音質は上記の理由で変わるかもしれませんが弦の張力を増やしたい目的の場合は弦の太さを上げる方法が好ましいです。



    まとめ

    ヘッドの形状によってはペグの位置やテンションピンが付く弦でナットにかかるテンションのバラツキがある場合があります。テンションピンがある弦だけ張りのある音がする等と感じるベースもあるかと思います。ジャズべース等もプロベーシストの方で3・4弦だけ鳴りが気になるからと裏通しブリッジに変えて3・4弦だけを裏通しで使ってる人も居たりします。または弦のゲージを上げたりダダリオのバランスドテンション弦等を使う人も多いです。4弦のEをしっかり出力するには105では細いですからね。

    テンションバー等を付けて全弦ナットにかかるテンションを均等にする事で上記の内容で各弦の角度が揃い音がバランス良く出てきたり、ベースがまだ「未完成の楽器」と言われるだけあってまだまだ改善できる所があるので細かい所を研究する必要がありますね。良いベースは見えない部分でメーカーの技術力が発揮されてる印象だと思います。現代は低い音程が欲しく4弦より5弦が使われる場目もかなり多くなりました。5弦ベースは4弦ベースよりもバランスが悪くなりますので、その改良がメーカーの技術として問われる部分です。

    まだ完全な完成が見えないベースだからこそ、各メーカーが開発に力を入れて新しい要素がドンドン出てくるのもベースの面白い所ですね。



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  • Lupinus 製作 その16

  • 2015/07/01
  • Category:
  • DSC_2127

    ネックは生地調整が完了し、ボディも生地調整に入りました。

    手作業です。腕が疲れて大変です…

    これはもう機械買います…DSC_2128ネックはラッカー塗装♪

    雨が降るまでのタイミングで塗装完了!ラッキーでした♪

    完成が近づいています♪