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  • modulus FB4 セットアップ&ジャック交換
  • 2023/09/12
  • Category:
  • モジュラス製FB4のセットアップです。

    やや順反りしている状態です。
    有名なカーボンネックのメーカーです。

    モジュラスは「弦は緩めて保管しないとダメ」という意味が分かり易いメーカーで、こうした木材でない硬質な人工物でも反る事やカーボンという炭素(世界中の素材の中でもかなり硬い物質)で製作された物も弦張力には負けてしまう事が80年代頃から既に答えが出ているので、今更ながら「弦を緩める・緩めない」が議論になってる時点でおかしいと気が付くでしょう。
    モジュラスも最初は反らないと判断しトラスロッドを入れていないベースを製作していましたが、後に反る事が分かってからトラスロッドを入れ始めました。
    答えは80年代の昔から既に出ています。

    そして硬質な素材はトラスロッドの力では簡単に反りません。
    この辺りもモジュラスは勉強に分かり易いですがトラスロッドを補強材と思っている人は間違いで、まずトラスロッドを仕込む事自体はネックの補強ではありません。
    あくまでネック反りをコントロールする為だけの機構です。

    そして「ネック反りはトラスロッドの力で弦張力と釣り合わせられる、弦を緩めるとそのバランスが崩れてネックに良くない」みたいな情報も間違いで、カーボンネックは特殊な条件かもしれませんがトラスロッドをかなり締めこんでもそこまで大きく反りは変わりません。
    カーボンネックだと分かり易く「トラスロッドの力で弦張力とバランスを取っている」事が違う事が分かります。
    状態が良いモジュラスだと、トラスロッドが100%近く余ってる状態で5弦ベースでレギュラーチューニングしても殆ど順反りせず元のネック反り状態をキープする硬質さです。
    トラスロッドが殆ど効いてなくても真っ直ぐを保てるので、普通に「トラスロッドの力で真っ直ぐにバランスしている」理論は崩壊してます。
    ネックが変形していないモジュラスでしたらトラスロッドが全然効いてなくても5弦ベースレギュラーチューニングした程度ではトラスロッドの調整が必要無い位に反りが真っ直ぐのままチューニングできます。
    カーボンネックだけでなく硬質に製作したネックも同様ですが私が作ったステンレス補強材を入れたベース等もトラスロッド100%余り状態でトラスロッドが全く効いていない状態で5弦ベースレギュラーチューニングでも真っ直ぐを保ちます。

    カーボンネックのトラスロッド効きが悪い理由は簡単です。
    ネック材が硬過ぎて、トラスロッドの逆反りさせる力だけではネック反りを動かす程の力をネックに与えられないからです。
    0%とは言えませんが、カーボンネックの場合は硬過ぎてロッドを回しても殆ど動かないので反り変形はロッドで調整できないと思って良いと思います。

    ここでお分かりの様にトラスロッドを締め込めば弦張力とバランスしてネックが真っ直ぐになる理屈は違うと分かると思います。
    ネックの持つ強度から弦張力で順反りに動いた分を内部に仕込んだトラスロッドの力を使って真っすぐに戻す物です。
    弦張力とトラスロッドの力をバランスさせる目的の物ではありません。

    通常の木材なら弦張力で順反りした分をトラスロッドが逆反り方向に加える力を一時的に利用しているにすぎません。
    釣り合っている様に思えますがあくまで「今だけ、一時的に」です。
    結局は強い弦張力が掛かっている事には変わりません。その負荷に耐え切れずに負けて順反りしていく事が殆どです。
    こうしたカーボンネックが順反りしてて分かると思いますが弦張力はそれだけ形状を変える位の強い負荷です。

    カーボンなので当然ながら木材と比べて湿気・乾燥による変形度合いは少ない素材条件となります。
    主に変形理由が弦張力による影響と分かると思います。
    よくある弦は張りっぱなしで良いという人が納得できると思ってる理由?として「反りは乾燥による変形、張りっぱなしはネックが反る等の反り変形に関係無い」と言う人が居ますが、ここもモジュラスで勉強できると思います。

    今でも弦を張りっぱなしで良いと言う人の理屈が意味不明なのですが、どうして世の中にこんなに状態が悪い楽器(大体は順反り、トラスロッドが限界等)が多いのか?を理由を説明してほしい事です。
    私と同じく現場のリペアマンなら多くの状態が悪い楽器を見ている事から張りっぱなしで良い訳が無いと誰でも分かる理屈だと思います。
    あなたの大事な楽器がどうなっても私には関係無いのでどう管理するかは勝手ですが、もう少し物事を真剣に捉え情報の意味を考えて勉強した方が得だと思います。

    ロッド自体はかなり余っておりましたが、上記の理由で剛性が高過ぎる事からトラスロッドを回しても殆ど反りが変わらないのでロッドが限界状態となりましたが、調整前よりは多少反りが真っ直ぐ方向に動き調整前より弾き易くできました。

    バルトリーニPUで癖が無く各弦の音量バランスが良いので良い個体です。無機質なサウンドかもしれませんがクリアなので音の味付けがし易いサウンドと思います。

    ありがとうございました♪


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