
- ギターの音激変!?自分でできるブリッジ交換完全ガイド【初心者~中級者向け】
- 2025/11/02
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「最近ギターの音がこもってきた…」 「チューニングがどうも安定しない」 「もっとサステイン(音の伸び)が欲しい!」 「見た目をガラッと変えてみたい!」
そんな悩みや願望をお持ちのギタリストの皆さん、ブリッジ交換を検討してみてはいかがでしょうか?
ギターの「ブリッジ」は、弦の振動をボディに伝える非常に重要なパーツ。ここを交換することで、ギターのサウンド、演奏性、チューニングの安定性が劇的に改善される可能性があります。
「でも、なんだか難しそう…」
確かに、ギターの改造には専門的な知識や技術が必要な場合もあります。しかし、ブリッジ交換はポイントさえ押さえれば、DIYでも十分可能なカスタマイズの一つです。
この記事では、ギターのブリッジ交換にチャレンジしてみたい方のために、必要な準備から具体的な手順、そして最も重要な「交換後のセッティング」まで、詳しく解説していきます。
(免責事項:この記事を参考にした作業により万が一ギターやパーツに損害が生じた場合でも、責任を負いかねます。作業は自己責任で、慎重に行ってください。自信がない場合は、専門のリペアショップに依頼することをおすすめします。)
【ブリッジ交換のメリット】
なぜブリッジ交換?期待できる5つの効果
まずは、ブリッジ交換によってどのような変化が期待できるのかを見てみましょう。
~音質の変化~
●ブリッジの素材(ブラス、スチール、チタン、アルミなど)や質量によって、音は大きく変わります。
例えば、質量のあるブリッジはサステインが伸び、引き締まった低音が得られる傾向があります。
逆に軽量なブリッジは、レスポンスが良く、倍音が豊かなサウンドになることも。●サステイン(音の伸び)の向上:弦振動を効率よくボディに伝える精度の高いブリッジに交換することで、サステインが明らかに向上することがあります。
●チューニングの安定性向上:サドル(弦が乗る部分)の溝が滑らかで、可動部(トレモロユニットなど)の工作精度が高いブリッジは、アーミング(アーム操作)後やチョーキング後のチューニングの狂いを最小限に抑えてくれます。
●演奏性の向上:弦高調整やオクターブチューニングがしやすい構造のブリッジに交換することで、セッティングが容易になり、結果として弾きやすい状態を維持しやすくなります。
●見た目のカスタマイズ:クローム、ゴールド、ブラック、エイジド加工など、ブリッジのルックスを変えるだけで、ギター全体の印象は大きく変わります。
【作業準備】
~準備するものリスト~
作業を始める前に、必要な工具やパーツを揃えましょう。
新しいブリッジ:最重要! 自分のギターに適合する規格(サイズ、ピッチ)のものを必ず確認してください。(詳細は後述)
・ドライバー(プラス、マイナス):サドルの調整ネジや、ブリッジの固定ネジ、裏蓋のネジなどに合わせて、複数のサイズがあると安心です。
・レンチ(六角レンチ、ボックスレンチなど):スタッド(ブリッジを支える柱)を調整したり、トレモロのスプリングハンガーを調整したりするのに使います。インチ規格とミリ規格があるので注意。
・ニッパー: 古い弦を切るために使います。
・ストリングワインダー: 弦を効率よく巻くために。あると非常に便利です。
・新しい弦: 交換後、必ず新しい弦を張ります。
・(場合によっては)はんだごて、はんだ:ストラトキャスタータイプのトレモロブリッジなど、アース線がブリッジブロックに接続されている場合、その付け外しに必要です。
・ギタークロス、クリーナー:ブリッジを外したついでに、普段掃除できない部分を綺麗にするために。
・作業用マット(柔らかい布など):ギター本体に傷がつかないよう、下に敷きます。ネックピロー(ネックを支える台)があると更に安定します。
【規格・仕様を知る】
★交換前の最重要チェックポイント:互換性!
DIYで最も多い失敗が「買ってきたパーツがギターに取り付けられなかった」というケースです。特にブリッジは、ギターによって規格が細かく分かれています。
購入前に、必ず現在のギターのブリッジの規格を測定・確認してください。全て同じ形・ネジピッチではありません。
●スタッド(アンカー)の間隔:ブリッジを支える2本の柱(ネジ)の中心から中心までの距離。
●弦間ピッチ:1弦から6弦までの幅、または各弦同士の間隔。
●スタッド(アンカー)の直径:ボディに埋まっているアンカー(スタッドを受け止める金具)の太さ。
●(ストラトタイプの場合)取り付けネジ穴の間隔:シンクロナイズド・トレモロをボディに固定するネジ穴(6点支持なら6つ、2点支持なら2つ)の間隔。
【インチ・ミリ】
ミリ規格 vs インチ規格:
日本製やアジア製のギターはミリ規格、USA製のギター(Fender, Gibsonなど)はインチ規格が使われていることが多いです。
ネジ切りが異なるため互換性がありません。自信がない場合は、楽器店で相談するか、メーカーの仕様表を確認しましょう。
【作業手順】
【実践】ブリッジ交換の手順
ここでは、代表的な2つのタイプを例に手順を解説します。A) チューン・オー・マチック(TOM)タイプ(レスポール、SGなどに多い)
B) シンクロナイズド・トレモロ・タイプ(ストラトキャスターなどに多い)
STEP 1: 弦を外す
まずは、全ての弦を緩めてからニッパーで切るか、ペグから外します。ストリングワインダーがあると作業が早いです。
STEP 2: 古いブリッジの取り外し
A) チューン・オー・マチック(TOM)タイプ:弦がなくなると、ブリッジ本体とテールピース(弦を固定するパーツ)は、乗っているだけ(または軽くはまっているだけ)なので、簡単に持ち上げて外せます。
ボディに埋まっているスタッド(柱)も交換する場合:これが一番の難関です。スタッドに合う太さのボルトをねじ込み、テコの原理で引き抜く方法などがありますが、ボディの塗装を傷つけたり、木部を割ったりするリスクが非常に高いです。無理そうだと思ったら、スタッドはそのまま使うか、プロに任せましょう。
B) シンクロナイズド・トレモロ・タイプ:ギターの裏側にあるバックパネル(スプリングカバー)のネジを外し、パネルを開けます。
トレモロスプリング(通常3~5本)が、トレモロブロックとスプリングハンガー(ボディにネジ止めされた金具)を繋いでいます。
このスプリングを全て外します。(手やプライヤーで引っ張って外すと勢いよく外れると危険なので注意、緩めて外しましょう)アース線の確認: トレモロブロック(の根本、スプリングハンガー付近)に、黒い線(アース線)がはんだ付けされているはずです。これを、はんだごてで溶かして外します。※火傷に十分注意してください!
ギターの表側に回り、ブリッジをボディに固定しているネジ(6点支持なら6本、2点支持なら2つ)をドライバーで緩めて外します。
これでブリッジユニット全体がボディから取り外せます。
STEP 3: クリーニング
ブリッジを外すと、普段は弦の下に隠れて掃除できない部分が露出します。この機会に、ギタークロスやクリーナーで指板やボディトップを綺麗に磨き上げましょう。STEP 4: 新しいブリッジの取り付け
基本的には、取り外した逆の手順で取り付けます。A) チューン・オー・マチック(TOM)タイプ:
(スタッドを交換した場合)新しいスタッドをボディに打ち込みます。当て木などをして、ハンマーで少しずつ、絶対に曲がらないよう垂直に打ち込みます。
新しいブリッジ本体とテールピースをスタッドの上に乗せます。
注意点: ブリッジ本体には向きがあります。サドル(弦が乗る部分)に弦の太さに合わせた溝が切ってある場合、細い溝が1弦側、太い溝が6弦側に来るようにセットします。(一般的に、サドルの角度調整ネジがピックアップ側(またはネック側)を向くように統一します)
B) シンクロナイズド・トレモロ・タイプ:新しいブリッジユニットのトレモロブロック(アース線を取り付ける場所)に、STEP 2-3で外したアース線をしっかりとはんだ付けします。接触不良はノイズの元です!
ブリッジユニットをボディの所定の位置にセットし、固定ネジ(6本または2本)を締めていきます。
締めすぎ厳禁! 特に6点支持の場合、ネジを締めすぎるとアームが動かなくなります。ブリッジプレートの底面がボディからわずかに浮く程度まで締め、ユニットがスムーズに前後に傾くか確認します。
裏側に回り、スプリングハンガーとトレモロブロックにスプリングを元通り(または好みの本数)で掛けます。
STEP 5: 弦を張り、セッティング(最重要!)
ブリッジは、交換して終わりではありません。ここからの「セッティング」がギターのポテンシャルを引き出す鍵となります。弦を張る:新しい弦を張ります。
チューニング:まずは、レギュラーチューニングに合わせます。トレモロ付きの場合、弦を張るとブリッジが浮き上がってくるので、何度か繰り返します。
~(トレモロの場合)フローティング調整~
シンクロナイズド・トレモロの場合、ブリッジがボディとどの程度浮いているか(フローティング量)を決めます。
裏蓋のスプリングハンガーを固定しているネジ2本を、ドライバーで締めたり緩めたりして調整します。
ネジを締める → スプリングの張力が強くなる → ブリッジが下がる(ボディに近づく)
ネジを緩める → スプリングの張力が弱くなる → ブリッジが上がる(ボディから離れる)
チューニングすると張力が変わるので、「チューニング → フローティング確認 → スプリング調整 → 再チューニング…」を繰り返し、好みの角度(水平、やや浮き、ベタ付けなど)で安定させます。
弦高調整:弦とフレットの隙間(弦高)を調整します。低すぎると音がビビり、高すぎると弾きにくくなります。
TOMタイプ: ブリッジ両端のスタッド(またはサムナット)を回して、ブリッジ全体を上下させます。(必要なら弦を少し緩めてから回します)
シンクロ・トレモロタイプ: 各サドルに付いている2つの小さなイモネジ(六角レンチで回す)を調整し、1弦ずつ高さを変えます。指板の丸み(R)に合わせて調整するのが理想です。
オクターブチューニング(オクターブピッチ調整):これがずれていると、ハイポジションで弾いたときに音痴に聞こえます。
チューナーを使って、各弦の「開放弦の音」と「12フレットを押さえた音(実音)」が、ぴったり1オクターブ違いになるように調整します。
12フレットの音が高い場合 → サドルをボディエンド側(後ろ)に動かす(弦長を長くする)
12フレットの音が低い場合 → サドルをネック側(前)に動かす(弦長を短くする)
TOMタイプもシンクロ・トレモロタイプも、サドルを前後に動かすための調整ネジが付いています。これをドライバーで回して調整します。
【注意点】
ブリッジ交換の主な注意点
●規格ミス: 何度も言いますが、これが最大の落とし穴です。購入前に徹底的に確認してください。そのまま付くか付かないか?は要確認。
●無理な作業: スタッドが抜けない、ネジが固い、といった場合に無理に力を加えると、ギター本体(木部や塗装)に修復困難なダメージを与えてしまいます。スタッド等の埋めてあるパーツは基本流用しましょう。
●アース線処理: (アース線があるタイプの場合)はんだ付けが甘かったり、忘れたりすると、「ジー」という大きなノイズが出続けます。
●ネジの締めすぎ: 木ネジは一度穴がバカ(緩く)になると厄介です。適度なトルクで締めましょう。また木ネジの取り付け方も間違えない様に。
自信がないときは、迷わずプロに任せよう!
ここまで読んで、「自分には難しそうだ…」と感じた方もいるかもしれません。
特に、スタッドの打ち替えが必要な場合や、はんだ付けに慣れていない場合、高価なギターを扱う場合は、無理をせず信頼できるリペアショップに依頼するのが賢明です。
工賃はかかりますが、プロによる確実な作業と、完璧なセッティングが施されたギターは、かけた費用の価値が十分にあるはずです。
~まとめ~
ブリッジ交換は、ギターのサウンド、演奏性、ルックスを大きく向上させる可能性を秘めた、非常に効果的なカスタマイズです。
パーツ選びの「規格確認」と、交換後の「セッティング」という2つの大きな山がありますが、一つ一つの手順を慎重に行えば、DIYでも十分に可能です。
愛着のあるギターに自分で手を加え、音が良くなった時の喜びは格別です。ぜひこの記事を参考に、あなたのギターのポテンシャルを最大限に引き出してあげてください!
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