
- 音が激変!プロが明かすギター内部配線材の選び方。定番からビンテージまで徹底解説!
- 2025/10/09
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「ギターの音を良くしたい!」
そう思ったとき、まず思い浮かぶのはピックアップの交換や、エフェクターの導入ではないでしょうか。
しかし、見落とされがちながら、サウンドに絶大な影響を与えるパーツがあります。それが、ギターの心臓部を繋ぐ血管、「内部配線材」です。たかがケーブル、されどケーブル。一流のプロギタリストや経験豊富なリペアマンは、この細い線材一本一本にまでこだわり、理想のサウンドを追求しています。
今回は、そんな知る人ぞ知る「内部配線材」の世界へご案内します。
定番からマニアックなビンテージワイヤーまで、それぞれの特徴とサウンドの変化を徹底解説。
あなたのギターが持つポテンシャルを最大限に引き出すヒントが、きっと見つかるはずです。配線材で音が変わる?
なぜ配線材でサウンドが変わるのか?
そもそも、なぜ配線材を変えるだけで音が変わるのでしょうか?非常にシンプルに言うと「電気信号の伝わり方が変わるから」です。
ピックアップが拾った微弱な信号は、配線材を通ってボリュームやトーン、ジャックへと送られます。
この過程で、配線材の「素材」や「構造」によって、信号の一部が微妙に失われたり、変化したりするのです。
特に、音の煌びやかさや抜け感を左右する高周波数の成分は、この影響を受けやすいと言われています。配線材を選ぶ上での主なポイントは以下の3つです。
~導体の素材~
●OFC(無酸素銅): 現在最も一般的な素材。クセがなく素直なサウンド。
●錫メッキ(Tinned): ビンテージワイヤーに多く見られます。高域が少し落ち着き、ウォームでマイルドなサウンドになる傾向があります。
●銀メッキ(Silver Plated): 高域の伝導効率が良く、クリアで煌びやかなサウンド。モダンなギターや、音の輪郭をはっきりさせたい場合に有効です。
~導体の構造~
●単線(Solid): 一本の太い導体。音の立ち上がりが速く、クリアで芯のあるサウンドが特徴です。
●撚り線(Stranded): 細い導体を何本も撚り合わせたもの。単線に比べて柔軟で、サウンドも少し柔らかく、豊かな倍音を持つ傾向があります。
~被膜(Insulator)~
●クロスワイヤー(Cloth Wire): 50〜60年代のフェンダーなどに使われていた綿や布製の被膜。ルックスのビンテージ感はもちろん、独特の枯れたニュアンスを生み出します。
●ビニール/テフロン: 現代のギターで一般的。特にテフロンは電気的特性に優れ、信号のロスが少なくクリアなサウンドが得られます。
これらの要素が複雑に絡み合い、ギターの最終的な出音を決定づけるのです。
プロが愛用する、こだわりの配線材たち
それでは、実際にプロの現場で信頼され、愛用されている代表的な配線材を見ていきましょう。
1. Western Electric (ウェスタン・エレクトリック) – ビンテージワイヤーの王様
「WE」の愛称で知られる、伝説的なビンテージワイヤーです。元々は1920年代〜50年代にかけてアメリカの電話会社で使われていたもので、その圧倒的なサウンドクオリティから、オーディオマニアやギタリスト垂涎の的となっています。
・特徴: 特に有名なのが「ブラックエナメル単線」。絹で巻かれた導体にエナメル塗装が施されています。
・サウンド: 驚くほどクリアで、音の分離が良いのが特徴。鈴鳴り感と表現される美しい高音域と、タイトで輪郭のはっきりした低音域は、他の何物にも代えがたい魅力があります。
特にフェンダー系のシングルコイルピックアップとの相性は抜群で、ギター本来の「鳴り」を最大限に引き出してくれます。・注意点: 年代物しか存在しないため非常に高価で、入手が困難なのが難点です。
★ポイント★
元が電話線なだけに、人の声が聴き取り易い様になっている配線材の事からギターでの使用は「硬い・冷ややか」に感じる事もあります。2. BELDEN (ベルデン) – 業界標準の安心感
シールドケーブルの「8412」などでお馴染みのベルデンは、内部配線材でも定番中の定番です。
プロのリペアショップでも常備されていることが多く、その信頼性は折り紙付きです。・特徴: 錫メッキの撚り線タイプが主流。「BELDEN 8503」などが有名です。
・サウンド: パワフルでコシのある中音域が魅力。サウンド全体がグッと前に出てくるような力強さがあり、ロック系の音楽には最適です。ハムバッカーとの相性が良く、レスポールなどに使用すると、太く粘りのあるドライブサウンドが得られます。現行品でも十分なクオリティですが、より枯れたニュアンスを求めるマニアはビンテージのBELDENを探し求めます。
★ポイント★
ベルデンの中でスピーカーケーブルの8470や8460を内部配線に使用するのもお勧めです。3. Alpha Wire (アルファワイヤー) – モダンでクリアな実力派
NASAのスペースシャトルにも採用されたという逸話を持つ、信頼性の高いブランドです。オーディオグレードの高品質なワイヤーとして人気があります。・特徴: 銀メッキされた銅線や、テフロン被膜を採用したモデルが多いです。
・サウンド: 非常にクセがなく、ワイドレンジでクリア。信号のロスを極限まで抑える設計思想で、ピックアップが拾った音をストレートに出力してくれます。モダンなハイゲインアンプとの相性も良く、音の分離感やサスティンを向上させたい場合に威力を発揮します。
どの様な配線材をセレクトする?
あなたのギターに最適な一本は?選び方のヒント
●ストラト/テレキャスで、キレのあるカッティングや鈴鳴り感が欲しい →→→ Western Electric の単線や、クロスワイヤータイプの単線がおすすめです。高域の抜けが良くなり、コードの分離感も向上します。
●レスポールで、太く粘りのあるドライブサウンドが欲しい →→→ BELDEN の撚り線が最適。中音域が豊かになり、サスティンも伸びやかになります。
●モダンなギターで、よりクリアでハイファイなサウンドを目指したい →→→→ Alpha Wire の銀メッキ/テフロン被膜ワイヤーを試してみてください。ノイズが減り、ピッキングの細かいニュアンスまで再現しやすくなります。
~まとめ~
たかが数十センチの配線材。しかし、その交換がもたらすサウンドの変化は、時にピックアップ交換にも匹敵するほどのインパクトを持っています。
数百円から数千円の投資で、あなたの愛器が秘めていたポテンシャルを呼び覚ますことができるかもしれません。ハンダごてを片手に、自分だけの理想のサウンドを探求する「配線材の旅」に出てみてはいかがでしょうか。その奥深い世界に、きっとあなたも魅了されるはずです。
是非とも自分のギターに試してみましょう。
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