トラスロッド調整はなぜ必要?
ギターを弾いている皆さん、「なんか弾きにくいな」「特定のフレットでビビる」と感じたことはありませんか?
その原因は、ギターのネックが反っていることかもしれません。
ギターのネックは、弦の張力や湿度、温度の変化によって、わずかに反ってしまうことがあります。
この反りを修正し、最適な演奏コンディションを保つために行うのが「トラスロッド(Truss Rod)」の調整です。
トラスロッドはネックの内部に埋め込まれている金属製の棒で、これを回すことでネックの反りを修正できます。
この記事では、トラスロッド調整に必要な知識と手順を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します!

【トラスロッド調整に必要な物】
~調整前に準備するもの~
トラスロッド調整を始める前に、以下のものを準備しましょう。
●トラスロッドレンチ・・・ロッドを回すための専用工具。ギター購入時に付属していることが多いです。サイズを要確認。
●精密ドライバーまたは六角レンチ・・・ネックカバー(ロッドカバー)を外すため。
●フィラーゲージ(あれば)・・・厳密な隙間(弦高/ネック反り)測定。シックネスゲージとも言う工具。
●定規(スケール)・・・弦高を測るために必須。主に12フレット上の弦高を測る。
●カポタスト・・・測定基準を作るため、1フレットに装着します。
●タオルやクロス・・・ギターを保護するため。
■調整前に知っておくべきこと(ネックの状態チェック)
トラスロッドを調整する前に、まずはネックがどのように反っているかを確認しましょう。
ネックの反りには主に以下の2種類があります。
1. 順反り(じゅんぞり)
状態: 弦の張力に負けて、ネックがお辞儀をするように「弦の張ってる側」に反っている状態。
症状: 弦とフレットの間隔が開きすぎ、弦高が高くなる。特にネックの中央付近で弾きにくくなる。
調整: トラスロッドを締める(時計回り)。
2. 逆反り(ぎゃくぞり)
状態: 主に湿度が高く木材の膨張により「弦を張ってる反対側」に反っている状態。
症状: 弦とフレットの間隔が狭くなりすぎる。全体的に弦高が下がり「ビビリ」が発生しやすくなる。
調整: トラスロッドを緩める(反時計回り)。
ネック反りの確認方法(リリーフのチェック)
カポタストを1フレットに装着します。
右手の指で、最終フレット(またはネックとボディの接合部付近のジョイントフレット)の弦(6弦と1弦)を押さえ確認します。
この状態で、カポと押さえているフレットの間12フレット辺りの隙間を見たり、ジョイントフレットを押さえている場合は7フレット〜9フレットあたりの弦とフレットの隙間(リリーフ)を確認します。
・隙間が開きすぎている → 順反り
・隙間がなさすぎる、または弦が完全にフレットに触れている → 逆反りまたは反りがドストレート
・理想的な隙間(リリーフ): 名刺1枚分〜0.3mm程度。
★ポイント★反り具合は自分の好みです。何が正しいか(自分的に弾き易いか?)はいろんな反りを実際に弾いて確かめて下さい。
「反りは〇〇が正解」とは厳密にはありません。
隙間も参考程度にして、隙間がある所から隙間が無い所までいろんな反りを調整し弾いてみて自分好みを試して下さい。

【トラスロッド調整方法】
~トラスロッド調整の具体的な手順~
ネックの状態が確認できたら、いよいよ調整に入ります。
●ステップ1:ロッドの調整箇所を見つける
トラスロッドの調整ネジ(ナット)は、主に以下の2か所のどちらかにあります。
・ヘッド側: ギターのヘッド(ペグがある側)にあるカバー(ロッドカバー)の下。
・ネックエンド側: ネックとボディの接合部(サウンドホールの縁や、エレキギターの場合はネックポケット内)。
調整箇所を確認し、カバーがある場合は精密ドライバーなどで慎重に外しましょう。
●ステップ2:ロッドを回す
絶対に一度に大きく回さないでください!
調整は「1/8回転(45度)ずつ」が鉄則です。
大きく回すと反りも大きく変わるので、反りの調整が難しくなりますので少しづつ回して確認しながら行いましょう。
回して抵抗を感じた場合や、それ以上回らない場合は、無理に力を加えないでください。
回り難い=トラスロッドのナット溝が錆びている可能性や、トラスロッドが限界状態の可能性がありこの状態から無理に回すとロッドが破損する恐れがあります。
【調整方向】
順反り・・・ネックをまっすぐにしたい=締める(時計回り)
逆反り・・・ネックを緩めたい/順反りにしたい=緩める(反時計回り)
レンチを調整ナットにしっかりと差し込みます。
1/8回転(45度)だけゆっくりと回します。
ステップ1で確認した「リリーフのチェック」を行い、反りが修正されたか確認します。
まだ反りが残っている場合は、再び1/8回転だけ回しチェックします。
●ステップ3:確認と微調整
理想的なリリーフ(名刺1枚分〜0.3mm程度)になったら調整完了です。後は弾きながら調整を行うと良いでしょう。
この隙間が小さい程に弦とフレットが平行になりますので、ストレートに近づく程にどのポジションを弾いても弾き易くなります。
★ポイント★弾く力(右手の力が強い等)が強い人はビビりが多くなるので、ネックの反りを自分に合わせて調整する事も可能です。
右手の弾く力が弱い場合、弦振動が弱いので弦高が低くてもビビりが少ない事となります。
ネック反りは弾き手に合わせても個人で限界値が異なりますので、いろいろ反りと弦高を試して自分が一番良いポイントを見つけて下さい。
・弦高が高すぎる場合: トラスロッド調整でネックの反りが修正されても、弦高(サドル/ブリッジ)が適正でない場合があります。その場合は、別途サドル/ブリッジ側で弦高を調整しましょう。
・ビビリが直らない場合: トラスロッドで反りを修正してもビビリが残る場合は、フレットの摩耗や浮き、ナットの溝の深さなど、他の原因も考えられます。
★ポイント★反りの確認方法はフレット状態が良くないと厳密には適切には行えません。

~トラスロッド調整のTIPSと注意点~
1. 焦りは禁物!
トラスロッドは、ギターの寿命に関わるデリケートなパーツです。少し回した程度でも弾き心地に大きく影響するので本当に少しずつ回して時間を掛けて確認しながら調整しましょう。
2. Fenderストラト等のネックを外さないと調整できないモデル
エレキギターなどでネックエンド側に調整ナットがある場合、弦を緩めネックを外さないと調整できないことがあります。
こうしたモデルの調整は大変ですが、少しずつ回しては組み直し確認しながら調整していきましょう。
ネックのジョイントビスの付け外しも正しく行わないとビス山を痛めてしまいます。
3. ロッドを回し切ってしまったら
回しても抵抗がなくそれ以上緩められない場合(逆反りのし過ぎ)、硬くこれ以上は締められない(順反りのし過ぎ)状態になった場合は、ロッドの効き幅の限界です。
その場合は、プロのリペアマンに相談しましょう。
基本的には弦を張って負荷を与えているので、大体のギターは順反りします。
なので弾かない時は弦を緩めて保管していないとトラスロッドを締める際の「余り量」が足りなくなり正しく調整ができない他、楽器が良い状態で使用できる「寿命」が少なくなると言えます。
またトラスロッドの余り量が少ない・限界状態では売却時に値下がりする原因にもなります。

~さいごに~
トラスロッド調整は、ギターの演奏性を大きく左右する重要なメンテナンスです。
最初は少し怖いかもしれませんが、正しい知識と慎重さをもって行えばきっとあなたのギターは最高のコンディションを取り戻すでしょう。
「何度やってもうまくいかない」「明らかにロッドが回らない」といった場合は、無理をせず専門のリペアショップに依頼することを強くおすすめします。
また自分が行える事としてトラスロッドが限界にならない様に弦は緩めて保管する事と、購入時にトラスロッドの余り量が多い個体を買う様にしましょう。
〒114-0014 東京都北区田端1-21-3 エーデルワイス101
ギターリペア工房 Draw a New Sound
東京都 山手線 田端から徒歩2分 どこよりも早いリペア早期仕上げ対応可能のリーズナブル料金&丁寧な作業のギターリペアショップです♪
●ホームページ Draw a New Sound
●YouTubeではブログでは語られない裏話からギターの作り方まで掲載中!
マイチャンネル YouTubeチャンネル
●ツイッター DNS_Guitar