• DSC_0315
  • FURUTECH FI-15M 非メッキ化
  • 2018/01/24
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  • 販売されている電源プラグはその殆どがメッキ処理され、オーディオ的にはメッキ処理がされない「非メッキ」の仕様が良いとされています。錆びない様にする対策も兼ねていると思いますが殆どが銀か金のメッキがされています。その為「このプラグが非メッキだったらどんな音?」と、市販モデルプラグに非メッキバージョンが存在しない場合はその音が分かりません。

    そんな中依頼されたフルテック製FI-15Mの銀メッキを削って剥がして非メッキの音を出してみたいというお客様の依頼です。そして自分も使っていなかったFI-15Mを持っていた事もあり、自分の持つ通常のメッキ仕様と今回改造する非メッキ仕様の音を出し比べて音の感想が聞きたいとの要望もあり比較実験の許可も頂きました。DSC_0309 ちょっと厄介なのはメッキ処理された先端がプラグ内の固定する部分にまで行われている為、露出しているコンセント側のメッキを剥がしただけでは正確には非メッキ状態になりません。DSC_0314 そのままでは加工が難しい為、一度バラしていまい先端とプラグに挟む側のメッキを剥がし細かい番手まで磨いて仕上げました。DSC_0315加工後は元に戻し完成です!

    アンプに繋げて弾いてみた感想として、メッキされた状態を基準に使って弾いた音と比べるとメッキを剥がした方が落ち着いて聞こえ全体的にフラット傾向に寄る印象があります。しかもメッキが無い方が音量・音圧も少し上がっている様にも感じます。同じプラグでメッキが有り無しだけで意外に音が変わる事の比較も今回の依頼があって改めて分かり良い経験ができました。ただ正確には今回の様な状態を非メッキと言うよりは純銅製プラグの状態になると思うので、真鍮非メッキで販売されているプラグとは体感効果が異なるかと思います。

    メッキがあるプラグの音はギターで言う所のバッファーを通した様な艶やかさが足される感じと言うのか、高域に寄る印象があります。メッキを剥がしたプラグの音と比べると音はクリアに聞こえるがその分低域が薄れているとも言えるかもしれません。音が細くなるとまではいきませんが組み合わせるケーブルの音質によっては煌びやか過ぎる音になるかもしれません。フラット系な音質を好む場合は断然非メッキが良さそうです。

    「ハイが出る」や「ローが出る」と表現される言葉は実際に違う場合が多く、ハイが出る=ローが削れて高域が目立って聴こえる為やローが出る=高域が削れ低域が目立って聴こえる等といった、どこかが削れてしまっているパターンが多いです。失った帯域は後から増やせないので、後からEQ等の上げ下げで出ていない所は増えません。そうした意味では味付けの無いフラットな音を聞いた音は地味なのかもしれませんが何も削れていないフラットの音が後から音質を加工がし易い事もあり一番良いと思います。音が好みで無ければ後からEQで付け足しができる点も含めデメリットはありません。

    今回はとても良い体験ができた依頼でした。これだと自分のプラグもメッキを削って使いそうですね。ただし耐久性の意味では10円玉の様に古くなると表面が酸化し通電力に影響が出て音質の劣化があるかもしれません。定期的に磨く必要がありそうですね。テスターで古い10円玉等を測っても通電はしっかり反応するので、酸化した事により電気が流れない等の通電不良とまでは起こらない事でしょう。とはいえ100V機器の物ですから安全面ではお気を付け下さいませ。

    ありがとうございました♪


    ~今回のリペアプラン~

    ・プラグ改造・・・3000円~


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