【なぜ?】ギター本体には何十万も使うのに、ギタリストは数千円の弦に「こだわりが無い」のか?
- 2025/08/06
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ギターに何十万円、アンプやエフェクターにも惜しみなく投資する。
ピックの角度1mm、ピッキングのニュアンスに命をかける。
それなのに…「最後に弦を交換したの、いつだっけ…?」
「弦?ああ、いつも楽器屋で一番安いやつ」…心当たりはありませんか?
前回の記事では「ギタリストがいかにEMGや最新機材を嫌うか」という、その異常なまでの”こだわり”について掘り下げました。
しかし、こと「ギター弦」に関しては、驚くほど無頓着なギタリストが数多く存在するのも、また事実です。ギターという楽器において、弦は指とギターが唯一触れ合う、音の源泉です。
理論上、ここが最もサウンドに影響を与えるパーツの一つであるはず。それなのに、なぜ私たちはギター本体やアンプほど、弦に情熱を傾けないのでしょうか?
今回はギタリストのこの奇妙な「無頓着さ」の背後にある、心理的・文化的な理由を解き明かし、同時に「弦にこだわることの本当の価値」について探っていきます。~ギタリストが弦に無頓着になりがちな5つの理由~
まずは、私たちがなぜ弦選びを「サボって」しまうのか、その理由を自己分析してみましょう。おそらく、ほとんどの人が以下の5つのいずれかに当てはまるはずです。
■理由1:面倒くさい(圧倒的真理)
認めましょう。弦交換は、純粋に面倒くさいです。
古い弦を外し、新しい弦を張り、何度も伸ばしながらチューニングを安定させる…この一連の作業は、決してクリエイティブな時間ではありません。特にフロイドローズ搭載ギターのオーナーにとっては、半日仕事の苦行です。「切れるまで使う」という人がいるのも無理はありません。■理由2:「消耗品」だから安く済ませたい(コスト意識)
弦は、弾けば錆びるし、いつかは切れる消耗品です。「どうせすぐにダメになるものに、高いお金を払うのはもったいない」という合理的な(?)判断が働きます。数万円のエフェクターを買うのは躊躇しなくても、2,000円の弦を買うのはなぜか躊躇してしまう。ギタリストの七不思議の一つです。■理由3:「定番」という名の思考停止
「弦、何使ってる?」
「とりあえずダダリオ(かアーニーボール)」これは、ギタリストの間で交わされる定型文です。D’AddarioとErnie Ball。この2大ブランドは、どこの楽器屋にも必ず置いてあり、品質も安定しています。この絶大な安心感と入手性が、逆に「他の弦を試してみよう」という意欲を削ぎ、思考停止に陥らせる一因となっています。
確かにダダリオはサウンドも標準的で基本となる弦と言って良いでしょう。
しかし弦メーカーは他にも沢山あります。その中から自分好みの弦を探さないのは勿体無い事です。■理由4:音の変化が分かりにくい(と思っている)
ギター本体やアンプを交換した時のような、劇的なサウンドの変化は、弦交換だけでは得にくい、と感じている人は多いでしょう。特に大音量のバンドアンサンブルの中では、弦の微妙なキャラクターの違いは埋もれてしまいがちです。「どうせ歪ませれば同じ」という意見も、一理あるかもしれません。■理由5:他にやるべきことがある(優先順位の問題)
速弾きの練習、新しいコード進行の勉強、耳コピ…ギタリストにはやるべきことが山積みです。限られた時間の中で、弦の材質やゲージごとの音の違いを研究するよりも、もっとフィジカルな練習に時間を割きたい、と考えるのは自然なことです。弦選びは、どうしても後回しにされがちなのです。~ちょっと待って!一流のプロほど「弦」に異常にこだわっている事実~
ここまで「こだわりが無い」理由を並べてきましたが、ここで視点をプロの世界に移してみましょう。すると、全く逆の景色が見えてきます。
一流のプロギタリストほど、弦に対して異常なまでにこだわっています。
レコーディングでは1曲ごと、ライブでは1ステージごとに交換するのは当たり前。常に最高のコンディションで、チューニングの狂いがない状態で演奏に臨みます。
自分のプレイスタイルに合わせて、特定のゲージ(太さ)をメーカーにカスタムオーダーすることもあります。
多くのプロは弦メーカーとエンドース契約を結び、自身のシグネチャーモデルまで開発しています。これは、彼らのサウンドにとって、その弦が不可欠な要素であることを意味します。
彼らは知っているのです。弦が、自分のサウンドを最終的に決定づける、極めて重要な要素であることを。
★脱・無頓着!サウンドが劇的に変わる「弦の選び方」超入門★
「そうは言っても、何から試せばいいか分からない…」というあなたのために、弦選びの第一歩をガイドします。まずは「いつもの」から一歩踏み出してみましょう。
●STEP 1:ゲージ(太さ)を変えてみる
最も分かりやすく音と弾き心地が変わるのがゲージです。
一般的なのは「.009-.042(0942/スーパーライト)」と「.010-.046(1046/レギュラー)」です。09-42セット:弦が細く、押さえやすい。チョーキングも楽。サウンドはブライトで煌びやか。初心者やテクニカルなプレイをしたい人向け。
10-46セット:弦が太くなり、テンション(張り)が強くなる。サウンドにハリとコシが出て、低音が豊かになる。コードをガシガシ弾くバッキングや、ブルージーなプレイに最適。
もしあなたがずっと09-42を使っているなら、次は10-46を試してみてください。そのサウンドの力強さとサスティンの伸びに驚くはずです。逆もまた然りです。
●STEP 2:3大定番ブランドのキャラクターを知る
思考停止から抜け出すため、2大巨頭にもう一つを加えた「3大ブランド」のキャラクターを知っておきましょう。■D’Addario (ダダリオ)
特徴:サウンドのバランスが良く、クセがない優等生。ジャンルを選ばず、どんなギターにもマッチする。チューニングの安定性にも定評あり。迷ったらコレ、の代表格。
代表弦:EXLシリーズ
■Ernie Ball (アーニーボール)
特徴:ダダリオより少しブライトで、キラキラした高音域が特徴のロックスター。パワフルなカッティングや、抜けの良いギターソロに最適。パッケージがカッコいいのも魅力。
代表弦:Slinkyシリーズ
■Elixir (エリクサー)
特徴:弦に特殊なコーティングを施した長寿命のエリート。錆びにくく、サウンドの劣化が遅い。その寿命は通常の弦の3〜5倍とも。コーティングによる独特の滑らかな弾き心地と、やや落ち着いたサウンドは好みが分かれるが、一度ハマると抜け出せない魅力がある。
弦を交換するのが面倒と感じる人はこれ一択。使用する期間を考えたら最もコストパフォーマンスが高い弦。代表弦:NANOWEB、OPTIWEB
この3つのキャラクターを頭に入れておくだけで、あなたの弦選びは格段に楽しく、戦略的になります。
~弦は、あなたの音を劇的に変える「最も安価なアップグレードパーツ」だ~
ギタリストが弦に無頓着になってしまうのは、面倒くささやコスト意識、思考停止など、様々な理由が絡み合った、ある意味で仕方のないことかもしれません。
しかし、忘れてはいけないのは、弦はあなたのサウンドを劇的に変える可能性を秘めた、最も安価なアップグレードパーツだということです。
数万円のエフェクターを一台追加するよりも、もしかしたら数千円の弦を自分に合ったものに交換する方が、よほど効果的な音質向上に繋がるかもしれません。それは、ギターとあなたの指が直接触れ、音を生み出す、全ての始まりの場所だからです。
次に楽器屋に行ったら、いつもの弦が置いてある棚の前で、少しだけ立ち止まってみてください。そして、その隣にある、今まで使ったことのないパッケージを、勇気を出して手に取ってみませんか?
その小さな一歩が、あなたのギターライフを、もっと豊かで楽しいものに変えてくれるはずです。
読んで頂きありがとうございました♪
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