月別アーカイブ: 2025年8月

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  • URIEL Baby Bass 配線直し&フレット部分すり合わせ&セットアップ Lace Ultra Slim Acoustic Bass

  • 2025/08/21
  • Category:
  • PXL_20250411_114306238

    ウリエル製ベイビーベースの配線直し・フレット部分すり合わせ・セットアップです。

    音が詰まる箇所があり、全体的にフレット状態は悪いが1箇所だけフレット浮きで音詰まる箇所がありました。
    ここは部分的なすり合わせで対処し、音詰まりが起こらない状態に仕上げました。

    PUを増設し、元のプリアンプに挿すコネクタにPUを配線して付けました。

    低価格帯と思いますがプリアンプは音が良く扱い易いと思います。

    取り付け位置は弾きながら決めるとの事で、マスキングテープで一時的に固定した状態となってます。
    またPUの厚みからネック寄りにすると弦を押さえた際にPU本体にぶつかってしまうので、その辺りもどこまで位置決めに制限が出てくるかも弾きながら判断した方が良いでしょう。

    ありがとうございました♪


    This is a rewiring, fret leveling, and setup of a Uriel Baby Bass.

    There were some areas where the sound was muffled, and overall the frets were in poor condition, but there was only one area where the fret was loose and causing the sound to muffle.
    We addressed this with partial leveling and finished it so that the sound would no longer be muffled.

    We added a PU and wired it to the connector that plugs into the original preamp.

    Although it is a low-priced model, I think the preamp has good sound quality and is easy to use.

    The installation position was decided while playing, and it is temporarily fixed with masking tape.
    Additionally, due to the thickness of the pickup, if it is positioned too close to the neck, it may collide with the pickup body when pressing the strings, so it is advisable to determine the position while playing to avoid such issues.

    Thank you very much! ♪


    〒114-0014 東京都北区田端1-21-3 エーデルワイス101

    ギターリペア工房 Draw a New Sound

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  • BACCHUS WJB-500R ジャズベース ペグ交換

  • 2025/08/20
  • Category:
  • バッカス製ジャズベースのセットアップです。

    ペグがぶつけて壊れたとの事で、1個のみ交換する事となりました。

    見た目が同じ様なペグがAmazonにあるMusiclilyで低価格で販売されておりますが、全く同じ物ではありません。
    こちらはお客様の持ち込みです。

    ビス穴の位置が合わず、ヘッドに付いたブッシュ内径も合わないので全交換するとそれなりの加工費になります。
    壊れた1ヵ所のみを交換する事となりました。

    ペグはGOTOH等で同じ様なペグが見つかると思いますが、こうした独自形状のペグは交換用が見つからず大変になります。
    メーカーも独自パーツを付けるなら交換対応でメーカーが販売を行う等の対応をするか、市販品で同じ物が買えるパーツを付けていてほしいです。

    ありがとうございました♪


    This is a setup for a Bacchus jazz bass.

    One of the pegs was broken due to impact, so we decided to replace only that one.

    Musiclily on Amazon sells pegs that look similar at a low price, but they are not exactly the same.
    This one was brought in by the customer.

    The screw hole positions do not match, and the inner diameter of the bush attached to the head does not match either, so replacing all of them would incur a considerable amount of processing costs.
    We decided to replace only the one that was broken.

    While similar pegs may be available from manufacturers like GOTOH, pegs with unique shapes like this one are difficult to replace.
    Manufacturers should either offer replacement parts through their own sales channels or use parts that can be purchased commercially.

    Thank you very much!


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    PXL_20250529_081525061
  • Gibson SG フレットすり合わせ

  • 2025/08/19
  • Category:
  • ギブソン製SGのフレットすり合わせです。

    フレットが全体的に錆びている状態です。
    またフレットサイドが元から全体的にかなり広範囲に斜め落ちしており、1弦はそのライン近いので弦落ちがし易いかもしれません。
    ギブソンのクオリティはピンキリで、高額でも非常に状態が悪い仕上がりになっている事もありますので購入時は要注意です。 
    またブリッジが交換されている?のか弦高が指板Rと大きく違い、また各弦でバラつきも大きいです。
    指板から仕上がりが良くない個体でした。

    フレットをすり合わせ錆を取り、状態を良くして仕上げました。
    フレットサイドの極端な斜め落ちしている所をリセットする所まで削るとフレットが無くなってしまうので削れる限度はありましたが元の状態よりはトラブル無く弾けるレベルになったと思います。

    ありがとうございました♪


    This is a Gibson SG fret leveling.

    The frets are rusted overall.
    In addition, the sides of the frets are slanted over a wide area, and the 1st string is close to that line, so it may be prone to string drop.
    Gibson’s quality varies greatly, and even high-priced models can be in very poor condition, so be careful when purchasing. 
    Additionally, the bridge appears to have been replaced, resulting in a significant difference in string height compared to the fingerboard radius, and there is also significant variation between the strings.
    This was an individual with poor overall finish quality.

    We performed fret leveling to remove rust and improve the condition.
    While we could not completely reset the extreme diagonal slope of the fret sides without risking the frets disappearing entirely, we believe the guitar is now playable without issues compared to its original state.

    Thank you very much!


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  • Ibanez SR セットアップ

  • 2025/08/18
  • Category:
  • アイバニーズ製SRのセットアップです。

    逆反りで音詰まりしている状態です。

    調整する事で音詰まりもせず弾き易い状態に仕上がりました。

    IbanezのSRシリーズは低価格帯でも非常に良く、弾き易く音が良いモデルが多いです。

    数万円のモデルでも使用上で問題無い他、音質も良くアクティブ回路搭載のモデルは音作りもし易いので非常にコストパフォーマンスが高いです。

    ありがとうございました♪


    This is an Ibanez SR setup.

    The sound was muffled due to reverse bowing.

    After adjustment, the sound is no longer muffled and the guitar is easy to play.

    The Ibanez SR series offers excellent value for money, with many models that are easy to play and produce great sound, even at lower price points.

    Even models costing several thousand dollars perform well in use, and those with active circuits offer excellent sound quality and are easy to customize, making them highly cost-effective.

    Thank you very much! ♪


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    PXL_20250716_095928308
  • 新品楽器が初期状態であるべきトラスロッドの余り量 SVL Custom Guitars ストラトキャスター 詳しい状態診断+セットアップ Red House

  • 2025/08/17
  • Category:

  • SVL製ストラトキャスターのネックがトラスロッド限界状態により、ネック単体をレッドハウスでオーダーしネック交換されたストラトキャスターの詳しい状態診断・セットアップです。

    詳しい状態診断は調整の料金とは別にトラスロッドの余り量・効き具合の確認を行うメニューです。
    特に新品楽器が近年は木材強度が弱く、初期状態で既にトラスロッドの余り量が少ない事や酷い場合だと限界状態で新品楽器が販売されている事が増えてきました。

    つまり新品楽器は「長持ちする見込みが無い」個体が多いとも言えます。
    購入時にいかにトラスロッドの余り量が多く効きが良い楽器を買うか、ネック強度が高い個体を買うか?が高額な楽器を買う上で必須知識となります。

    楽器屋も確認していないのに平気で「状態に問題ありません」と言って販売してきます。

    基本はこうした細かい点を購入前に確認させる・万が一状態が店員が言う事と異なる際はどういった対応をするのか?を確認させてから購入しないと危険です。

    ■楽器屋はハッキリ言ってバカ■

    トラスロッドの余り量が新品楽器で表記されてない時点で疑問を持って下さい。

    中古楽器を扱っているお店ではトラスロッドの余り量を表記している事が多いので、トラスロッドの余り量を確認する方法を知らない訳ではありません。
    新品楽器でトラスロッド余り量が少ない事が分かると販売時に都合が悪いから隠しているだけです。

    まずトラスロッドの余り量を聞くだけではダメだと覚えて下さい。

    トラスロッドの余り量を聞くと「左右に回せますよ」と答えるバカ店員が非常に多い事が分かります。
    左右に回せる事は「当たり前」で、今現在のトラスロッドの調整位置がどこなのか?を聞いてるのに答えられない店員は話にならないので上司を呼んで対応させて下さい。

    強度が低いネックではトラスロッドの余り量が最初から少ない(過去ブログ・過去Youtube動画を参照)ので、スタート地点で長持ちする見込みが低いです。
    そんな重要な事を買う側に確認させないとは、かなり横暴な売り方だと思います。

    新品で買った楽器のトラスロッドの余り量が少ない・最初から限界等といった本来から逸脱した事が非常に増えている事から、こうした楽器を平気で販売している楽器屋を私は信用する事ができません。
    基本は疑って下さい。
    知識をつけ、相手に確認させてから購入して下さい。じゃないと痛い目を見ます。

    こうして確認作業をさせてから買う事は悪い事ではありません。
    本来なら検品で予め楽器屋側がやっているはずの事です。
    それをしていないから、客側が指示してやらせないといけません。

    ★楽器屋に新品楽器にもトラスロッドの余り量を表示させるように呼び掛けましょう★

    こうして毎回トラスロッドの余り量を聞いて確認してくる客が増えたり、毎回トラスロッドの余り量を確認させる手間暇を店員に与えていればいずれ最初から楽器状態の詳細をちゃんと表記する様な環境になる事でしょう。

    ■トラスロッドの余り量確認は様々のメリットがある■

    まずこの知識は楽器屋に届いてほしいです。
    そしてこの内容を行って検品し、その内容を販売ページに表記する様にしてほしいです。

    今回の内容はネックがレッドハウスにて製作された新品ネックです。

    こちらで詳しい状態診断としてトラスロッドの余り量等のチェックを行います。

    まず最初は基本調整を行いそこからトラスロッドの余り量等を確認に入るのですが、こちらは初期の調整状態が良く最初に調整する必要はありませんでした。

    調整ができた状態が確認できれば次に進みます。
    レッドハウスで調整された状態として、トラスロッドを緩めてみるとトラスロッドが効き始めるポイントから60~90度回っている位で、実質トラスロッドの余り量は調整できた状態から9割程度は余っていると判断できます。

    そしてネックは新品なので弦を外しトラスロッドをダルダルに緩めた状態でほんの僅か順反り程度なので合格です。
    僅かに順反り~ストレートであれば新品楽器の初期状態として問題無いです。

    通常は弦を張れば順反り方向へ負荷が掛かるので、基本は順反りしてしまうものなので新品楽器でも少しは順反りしてるのが普通です。
    この順反りが大きい場合、長い目を見たらスタート地点で長持ちする見込みは弱い事となるので要注意です。

    初期状態で既に順反りが大きいとその分トラスロッドを多く回して調整する事となるので、結果として新品楽器でもトラスロッドの余り量が少ない状態となります(近年はこうした個体が非常に増えた)。

    もしくは初期状態で順反りはしてないが弦を張った際に大きく順反りするのでトラスロッドを多く回して使ってしまう等、強度が低いネックは良い事が何一つありません。

    ■ネック強度を簡単に確認する方法■

    また誰でもネック強度を確認する簡単な方法として「弦をチューニングしたらどれだけ反るか?」の判断です。

    近年は木材強度が弱い個体が多いので、強度が弱いネックはチューニングすると大きく順反りしてしまいます。
    だからこの分調整に多くのトラスロッドが回して使われます。
    強度も弱いのでしばらく使用していれば順反りしてくるので、そこで調整するともうトラスロッドの限界が見えてくる状態となるのが近年の楽器です。

    だから私は近年の新品楽器は長持ちしないと思っているので購入をお勧めしませんし、初期状態が悪い新品を購入しても楽器屋の方で対応も悪い(返品が難しい)ので猶更お勧めできません。
    買うならしっかりと状態に問題が無く長持ちの見込みがある個体を見つけて買わないとダメです。
    その目安がトラスロッドの余り量が多い事です。

    ここでしょうがないよねと割り切れる金持ちは普通にお金を払って楽器を買って下さい。
    普通の人で数十万円はかなり大きな金額であり、それが簡単に使用できなくなっては困る買い物です。
    楽器屋もこの辺りが麻痺してますが、普通に相手の事を考えて物を販売して下さい。

    弦を張ってもあまり順反らない=ネック強度が高いという事です。

    楽器屋も知識がゴミカスレベルですので、特に弦は張りっぱなしで良いと言う人の理論で「弦張力はトラスロッドとバランスしてるから」と言う人が居ますが間違いです。
    ネック本体の強度が重要な要素です。(過去のブログ記事・過去のYoutube動画を参照)
    そうした人に聞きたいのは「トラスロッドが入ってないギターはどうする?」です。簡単に論破されてしまいますが強度が大事です。

    この辺りの詳しい話は過去のブログ記事やYoutube動画を参照して下さい。

    トラスロッドで弦張力がバランスしているというウソ

    当然ながら新品楽器の状態でトラスロッドに余裕が少ない・既に限界な楽器を張りっぱなしで使用していたらどうなるか?
    早い期間で順反りしていき限度を超え使用できなくなるでしょう。

    「弦は張りっぱなしで良い」という言葉の裏には「客が自ら楽器を壊させて買い替えさせる循環を作る為」です。
    かなり無責任な言葉であり、楽器屋やリペアマンが「弦は張りっぱなしで良い」と言っている所から楽器を買わないで下さい。

    この辺りも詳しく過去記事やYoutube動画で解説してますが、弦を張りっぱなしで良いかダメか?の判断は1本1本状態により答えが変わります。
    トラスロッドの余り量とネック強度を確認してからでないと通常は判断できません。
    その詳しい解説をしているリペアマンを私以外にしてる人を見た事がありません。


    ■トラスロッドの「馴染み」を出す■

    基本的にギタークラフトの世界ではトラスロッドを仕込んだ後にある程度ネックグリップを成形して実際にロッドを回して効き具合を確認します。
    「逆反り平面出し」等もそうですが、不具合の発見は指板を張る以前に確認して見つけていないと後からでは面倒な作業になります。

    完成後に不具合が見つかると直す事が大変になってきます。トラスロッドを実際に回して動作を確認する事はギタークラフトにおいて常識のチェック項目です。

    新品状態からトラスロッドを限界まで回して余り量の確認と効き具合を確認する以外のメリットとして「トラスロッドの効く力をしっかりとネック材に伝える準備」となります。

    新品楽器はメーカー側も「効きが限界の最後まで効くか?」の確認を行っていない所が多い様子です。

    確認のついでにこの「トラスロッドの初期馴染み」も出しておきましょう。

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    まずネック内部のT字部分です。
    トラスロッドは内部のT字で完全に引っ掛かっています。

    トラスロッドが効くというのはこのT字にしっかりと引っ掛けているからで、ここがしっかりと引っ掛かった上で曲げられたトラスロッドが真っ直ぐになろうとする力が発生しネックを逆反りさせます。

    ただロッドを仕込んだだけで終えている状態ではこのT字部分にしっかりと密着し馴染みが出ていないとトラスロッドを回して調整した状態が短期間で変わる(食い込んでしまいトラスロッドが緩んで調整した状態が変わる)事が発生します。

    トラスロッドを一度限界まで締める(T字に力を掛ける)事により食い込み等の初期馴染みを出す事でトラスロッドが緩む(調整した後で反り状態が変わる)事が無くなります。

    この「食い込む事」は最低限必要です。
    このT字部分でロッドがこれ以上食い込みが発生しない位置まで馴染みによって出しておく必要があります。
    そうしておかないと反り調整が正しく調整できないと言えます。

    ダメな例としてメーカーが全て悪いですが極端に材が柔らかいかトラスロッドのザグリが大きくT字の引っ掛かりが甘い作りの個体は引っ掛かりが甘くロッドが抜けてくる原因となります。

    「トラスロッドを一気に回したら壊れる」というのはデマです。
    正確には回して壊れる様な作りをしているメーカーが悪いです。

    このトラスロッドの仕込みが酷いメーカーが実際に存在します。
    このT字部分のザグリがいい加減で引っ掛かりが悪いメーカー製品が存在する為、正確にはここでT字部分がしっかりと引っ掛かかる問題無い個体か?の確認もできます。
    酷い個体は引っ掛かりが悪く抜けてくる事となり、反り調整ができなくなります。

    そうした意味でも正確には限界まで回しトラスロッドに最大の負荷を与えた状態で数日放置してもT字部に問題が出ないか?を確認した方が安全です。
    このT字部の引っ掛かりに問題がある場合、限界まで回して大きく逆反り状態となりますがT字部分で引っ掛かりが悪く抜けてくるとなると反り状態が真っ直ぐになっていきます(内部でトラスロッドが緩み順反り方向に動いていく為)。

    このT字部分に引っ掛かりが悪い事が後から分かると面倒な事になるので、反り調整が行えなくなる事となるので楽器として致命的です。

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    次にトラスロッド全体に馴染みを出す事です。

    トラスロッド溝を掘り、しっかりとトラスロッドを内部に仕込めても内部に隙間無くトラスロッドが密着しているか?を完全に確認する事はできません。

    ロッドを回せばトラスロッド本体が真っ直ぐになろうとする力でロッドが効く事になりますが、トラスロッドを限界まで回すと逆反りしようと強い力がネック内に発生します。

    仕込んだばかりの状態ではトラスロッドと埋め木の食い付きが全体的に均等ではなく、一度真っ直ぐになろうとする強い力を与える事で埋め木全体にトラスロッドの食い付きが良くなります。
    その証拠とする結果としてトラスロッドを回した時の反り変化が馴染みを出す前より良くなります。
    回した時の反りが動く動作・反応が良くなります。

    万が一メーカーのトラスロッドの仕込み精度が悪い場合、内部でトラスロッドの当たり面が部分的になると綺麗なネック反りの動きをしません。
    それらを一度トラスロッドを限界まで締め込みしばらく放置する事で、部分的にトラスロッドが当たってる圧力が強い所に食い込みが発生し当たり面が増えて反り変化が以前よりも良くなるかもしれません。

    以上の理由からトラスロッドの動作確認・余り量の確認・効き具合の確認の他に初期馴染みを出す事で今後の調整でより良い調整ができる事となります。

    なので新品楽器でも一度トラスロッドを限界まで回して上記の作業をする事をお勧めします。

    ■本来あるべき新品楽器の状態■

    こちらのレッドハウス製のネックは状態診断で特に不具合も無く、新品楽器としてとても良い状態です。

    この良い状態というのも本来は新品なら当たり前な状態なのですが、近年の新品楽器が悪過ぎて良い状態と思ってしまう位です。

    余り量は正しくセットアップした位置から約1周+90度程度は回せる状態を確認しました。
    このネックは約1.5周程度は回す事が可能です。
    また長いレンチを使用すれば1.75周は回るかもしれません。

    回せる量も良好です。
    この回せる量が少ない場合、トラスロッドの「たわみ量が少ない」状態の可能性が高いです。
    つまりロッドが効く範囲が狭いという事になるので、ロッド限界になるのが早くなるという事で良くない状態です。

    ただし上記の初期馴染みを出す前の確認時は2周は回せました。
    それがどういう意味かというと馴染みが出た事により印を付けた初期位置に戻らない事(内部で初期馴染みが発生したという事)と、再度回して確認すると効き具合の変化や限界まで回せる量が変化したので私的にも初期馴染みを出す事の良い勉強になりました。

    食い込みが発生していない状態(馴染み不良)が出てないとトラスロッドが多く回ってしまう事になるので、余り量の確認が正確ではありません。
    馴染む分で多く回ってしまいます。

    馴染む必要が完全に無くなるとトラスロッドが内部でこれ以上動かない(馴染みがこれ以上出ない)ので、正確な余り量と効き具合のチェックが行えます。
    なので今回は2回のロッド限界まで回すチェックを行っています。
    初期馴染みを出してからでないと正確なトラスロッドの余り量と効き具合は確認できません。

    こうした知識が無いと新品楽器は本来は状態も良好なので回す必要も無い様に感じると思いますが、限界まで回す事で上記の様なメリットが産まれます。

    音も良く弾き易くかなり良い個体なだけに、レッドハウスの製品はお勧めできるかもしれません(過去にレッドハウス製ギター・ベースが持ち込まれた事が無い為、まだ当店ではデータ無し)。

    こうした個体の様な状態、新品楽器がこの様な状態が当たり前になる様に世の中の楽器メーカーは目指して下さい。
    そして楽器屋は当たり前にこうした検品と状態の詳しい詳細を商品1本1本に公表する事を義務付けて下さい。

    またこうしたチェックは新品だけでなく中古楽器にも活かせます。

    例えば上記のチェックにて、メーカーにより状態がとにかく良い物から酷い物まで幅広くある事が分かると思います。
    だから個体毎にトラスロッドを回してチェックしないといけない事を昔からずっと言い続けています。

    多くの楽器を実際にトラスロッドを回してみればメーカーや個体によっては「余り量が多いけど実際は効きが悪い(良好個体に見えて状態悪い)」個体もあれば「トラスロッドを回せる範囲が少ない(すぐにロッド限界になる危険個体)」等の個体を知れると思います。

    国産ブランド等は「回せる範囲も多く、効きも良い」物が多いと分かるはずです。

    本来はトラスロッド溝を丁寧に掘って、丁寧に埋め木で埋めていればロッドが良く効くネックになるのですが、ギタークラフトを経験して分かる事としてメーカーはこの辺りの作業がかなり下手糞だと分かります。

    まずは実際にトラスロッドを回し、このネックの状態を把握する事が非常に大事だと分かれば幸いです。

    そしてトラスロッドを余り量を確認し、それに応じて保管方法(弦を緩める量の考え)を実行しないとダメです。
    ここまでの作業をして確認をしていないのに弦は緩めないでOKや緩めた方が良いと語ってはいけません。
    状態や状況は、人間と同じで1本1本異なるからです。
    それを確認して判断するという事は医者が一人一人を診断し適切な処置を施す事と同じです。

    ■楽器保管で状態を経過観察しよう■

    これだけ楽器が販売され長い年月が経っており「多くの結果」がデータとして出ています。
    本当に「弦は張りっぱなしで良い」なら状態が悪い楽器は殆ど存在しなくなりますが、実際は真逆です。
    状態が悪い楽器の大半が「弦を張りっぱなしで保管していた」人達です。

    今回の新品は上記の様に状態が良いですが、基本的に使い続ければ順反りしていきトラスロッドをそれなりに効いた状態になります。
    正確には上記の様なトラスロッドの余り量・効き量をチェックした上で弦をどれだけ緩めるか判断しますが、大体はかなり効いている事が大半なので「弦は緩めた方が良い」に該当する楽器が大半です。
    緩めないで良い状態の楽器の方が珍しい事を知りましょう。

    今回の様に状態が良いとトラスロッドにかなり余裕があるので弦を張りっぱなしで保管しても良いと判断しても良いですし、この状態を長年キープしたいなら弦を緩めて保管すれば良いし、状態良く保管したいけど緩めるのが面倒なら1音下げ位までは緩めて保管する等をした方が良いです。

    この辺りも保管を経過観察する事で例えば「弦を張りっぱなしで保管していたら順反りしてきた」なら長い目を見たら緩めて保管する事を徹底した方が良いし「弦を張りっぱなしで保管してても反らなかった」なら張りっぱなしで保管してても問題無いでしょう。

    楽器の状態や保管してての状態変化は1本1本違います。
    よくあるアンチの的外れなクソコメで「私の楽器は弦を張りっぱなしでも反らない」と反論してくる人が居ますが、何故自分の1例が全ての楽器に該当すると思っているのか片腹痛いです。視野が狭いです。
    なので1本1本をもっと大切に、隅々まで確認し所持していて細かい状態変化に気が付いて下さい。
    楽器を人間と思って扱って下さい。

    また別のクソコメでも「順反りしてもネックアイロンで直せばいい」という的外れで無責任な事を言うアンチが居ますが、アイロンで直せると思ってるなら自分でアイロンを買って作業してみれば良いです。
    そんな簡単には直りませんし、アイロンで簡単に直ると思ってるならネックアイロンをやってるリペアショップに「アイロンだけでトラスロッドが限界状態の楽器を100%余った状態に直せ」と言ってみて下さい。
    大体は「直るかもしれないし、直せないかもしれないし、やってみないと分からない」と答えるはずです。



    ネックアイロンの詳しい話

    メーカーも接着がヘタクソで最初から接着面に隙間が空いて仕上がっている物があったり、過去にブログ記事やYoutubeでも詳しい紹介をしてますがそんな所に熱源を当てたら接着が剥がれ直る所か状態が悪化します。
    そもそもアイロンが必要無い様に保管していれば良いだけの話です。
    アイロンの熱でこうした接着面の剥がれが起きたり、捻じれが起きたり、結局は元に戻ったり直らない場合もあるので運の様なリペアです。
    だから当店ではネックアイロンは100%直せるリペア方法ではない事から採用していません。

    ネックアイロンをしてリスク無く問題無い物は接着面が無い1Pネック等位しかありません。

    もう少し知識を学び、間違った方法を選択しない様に気を付けて下さい。

    ありがとうございました♪


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    ギターリペア工房 Draw a New Sound

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    PXL_20250417_084819426.MP
  • Ibanez Iron Label RG RGIF8 ナット交換&フレットすり合わせ&セレクター交換 ファンドフレット

  • 2025/08/15
  • Category:
  • アイバニーズ製アイアンレーベル8弦RGのナット交換・フレットすり合わせ・セレクター交換です。

    ナット消耗で音詰まりしており、フレット浮きとネックウネリで音詰まりしています。

    セレクターが消耗で音が出なかったりと、かなり消耗が大きい個体です。

    ナットを交換しフレットをすり合わせ、セレクターを新品に交換し問題が無い状態に仕上げる事ができました。

    消耗状態が大きいと直った後で見違える弾き易さに変化したと思います。
    ファンドフレットですと恐らくメーカー側も製造する個体が少ない事から、元から作りの面で精度が悪いかもしれません。
    なのでファンドフレット仕様は新品でも状態が良くない可能性がある事も考えておかないといけないかもしれません。
    とは言っても新品で高額な楽器でも最初から状態が悪い事もあるので、基本は買ったらナット・フレットはリペアする考えでも大げさではありません。

    ありがとうございました♪


    This is a nut replacement, fret leveling, and selector replacement for an Ibanez Iron Label 8-string RG.

    The nut was worn out, causing sound blockage, and the frets were floating and the neck was warped, also causing sound blockage.

    The selector was worn out, causing sound issues, and the instrument was in pretty bad shape overall.

    We replaced the nut, leveled the frets, and replaced the selector with a new one, bringing the instrument back to a problem-free condition.

    With such severe wear, I believe the playability improved significantly after the repairs.
    With fretboard frets, it is possible that the manufacturer produces fewer units, so the precision may be poor from the start.
    Therefore, it is important to consider that even new instruments with fretboard frets may not be in good condition.
    That said, even new, high-priced instruments may have issues from the start, so it is not unreasonable to consider repairing the nut and frets after purchase.

    Thank you very much!


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    PXL_20250508_094234321.MP
  • Gibson レスポールスタジオ セットアップ

  • 2025/08/14
  • Category:
  • ギブソン製レスポールスタジオのセットアップです。

    順反りで弦高が高い状態です。

    マホガニー材は柔らかいので、基本は簡単に順反りしますので長年使用しているなら調整は年単位で行いましょう。

    調整し弾き易く仕上げました。

    音が良く、太さと音抜けが良いバランスの個体です。
    ギブソンで低価格帯の部類でも個体によって全然良いサウンドの物も数多くありますので、値段は関係無いです。

    むしろ低価格帯の方が近年は音が良い個体が多い様にも感じます。

    ありがとうございました♪


    This is a Gibson Les Paul Studio setup.

    It has a forward bow and high string height.

    Mahogany is a soft wood, so it tends to bow forward easily. If you have been using it for many years, you should adjust it annually.

    We have adjusted it to make it easier to play.

    This is a well-balanced instrument with good sound, thickness, and projection.
    Even in Gibson’s lower price range, there are many instruments with excellent sound quality, so price is not a factor.

    In fact, it seems that there are more instruments with good sound quality in the lower price range these days.

    Thank you very much! ♪


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    guitar-man-2
  • なぜギタリストはEMGや最新デジタル機材を「嫌う」のか?その根深い理由を徹底考察

  • 2025/08/13
  • Category:

  • austin-prock-Hz3Kjzgyv_Q-unsplash

    「やっぱりギターのピックアップはパッシブじゃないとね」
    「EMGって、なんか無機質で好きじゃないんだよな」
    「KemperやFractalは便利だけど、結局は真空管アンプの“あの感じ”は出ないでしょ?」

    ギタリストが集まれば、必ずと言っていいほど交わされるこんな会話。
    あなたも、言ったり、聞いたりした経験はありませんか?

    メタルやハードロックのシーンでは定番中の定番であるEMGのピックアップ。
    自宅での練習からプロの現場まで、今や当たり前になったモデリングアンプやデジタルエフェクター。
    これらは間違いなく、現代の音楽シーンを支える革新的な機材です。

    しかし、その一方で、一部のギタリストからは頑なに敬遠され、時には「嫌い」「偽物だ」とまで言われてしまうことがあります。

    なぜギタリストという人種は、これほどまでに伝統的な機材を愛し、新しいテクノロジーに対して保守的、あるいは懐疑的なのでしょうか?

    この記事では、その理由を単なる「食わず嫌い」や「懐古主義」で片付けるのではなく、
    「技術的な側面」「心理的・文化的な側面」
    から深く、そして多角的に掘り下げていきます。

    この記事を読み終える頃には、あなたが抱いていた漠然とした「好き嫌い」の感情が、より明確な「思想」や「哲学」に変わっているかもしれません。

    daniel-chekalov-rRVGpLI5ceo-unsplash

    ~なぜEMGは嫌われる?~

    大前提:本当に「嫌われて」いるのか?
    まず冷静に見てみると、EMGや最新機材は決して「嫌われて」いるわけではありません。
    「理解されてない」が正しい言葉かもしれません。

    メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドやカーク・ハメット、ザック・ワイルド、スレイヤーのケリー・キングなど、メタル界のレジェンド達はこぞってEMGを愛用し、あのソリッドでパワフルなサウンドを築き上げてきました。

    また、最新のデジタルモデリングアンプは、U2のジ・エッジやジョン・メイヤーといった、サウンドに人一倍こだわるトッププロたちのツアーやレコーディングで、今や中心的な役割を担っています。

    つまり「嫌う」というよりは「特定の層から、特定の理由で敬遠されている」、あるいは「好みがはっきりと分かれる」と言うのが正確な表現でしょう。
    またEMGをよく知らないギタリストがネット上でそうした記事を見て「知った気になっている」のも大きな問題です。
    では、その「理由」とは一体何なのでしょうか。

    guitar-515901_1280

    ~技術的側面から見る「敬遠される」3つの理由~

    サウンドの良し悪しは主観ですが、伝統的な機材と最新機材の間には、音の出力方式や構造に明確な技術的差異が存在します。
    その違いが、好みを分ける大きな要因となっています。

    ■理由1:ダイナミクスの沼 – ピッキングニュアンスの表現力
    ギタリストが最もこだわる部分の一つがピッキングの強弱(ダイナミクス)でどれだけ表情豊かな音を出せるか、という点です。

    ・アクティブPU(EMGなど)の特徴:ピックアップ自体にプリアンプ(電池で駆動)を内蔵しており、信号を増幅してから出力します。これにより高出力・ローノイズという大きなメリットが生まれます。しかし、その過程で音がある程度均一化(コンプレッション)されるため良くも悪くも「誰が弾いても同じような良い音」になりがちです。

    ・パッシブPU(伝統的なPU)の特徴:電池を必要とせず、弦振動で発生した微弱な電気信号をそのまま出力します。そのため、ピッキングの繊細なタッチや、ギター本体の木の鳴り、ボリュームノブの微妙な操作に対する追従性が非常に高いのが特徴です。

    メタル系のジャンルで求められる「音の壁」のような均一なディストーションサウンドにはアクティブPUが最適ですが、ブルースやジャズのように、一音一音に魂を込め、指先のニュアンスで「語りたい」ギタリストにとっては、パッシブPUのダイナミクスが何物にも代えがたい魅力となるのです。EMGが「無個性」「プラスチッキー」と評されるのは、この表現力の違いに起因します。

    ■理由2:空気の振動か、データの再現か – サウンドの「温かみ」問題

    次に、アンプにおける「真空管 vs デジタル」の論争です。

    ・真空管アンプの特徴:真空管というアナログな部品で信号を増幅します。この過程で生まれる偶数次倍音が、人間にとって心地よい「温かみ」や「艶」として感じられると言われています。また、巨大なスピーカーキャビネットが物理的に空気を震わせる感覚は、デジタルでは再現しきれない、抗いがたい快感があります。

    ・デジタル(モデリング)アンプの特徴:過去の名機とされるアンプの音響特性を、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)で演算し、データとして再現します。その再現度は年々驚くほど向上しており、利便性や音作りの幅、安定性においては真空管を遥かに凌駕します。しかし、一部のギタリストは、そのサウンドにどうしても「デジタル臭さ」や「冷たさ」、「音の奥行きのなさ」を感じてしまいます。

    これは音の優劣ではなく、「生演奏の記録であるCD」と「目の前での生演奏」の違いに近いかもしれません。どちらも素晴らしい音楽体験ですが、そこに宿る「空気感」や「熱量」の質が異なるのです。

    ■理由3:「ブラックボックス」への不信感と、いじり壊す喜び
    伝統的な機材は、その構造が比較的シンプルです。

    真空管アンプやアナログエフェクターの回路図はWeb上で簡単に見つかり、知識があれば自分でパーツを交換して改造(MOD)することも可能です。「このコンデンサをこれに変えたら、音がこう変わった」という試行錯誤のプロセス自体が、ギタリストにとっての楽しみであり「自分の音を自分で作り上げている」という実感に繋がります。

    一方、最新のデジタル機材の心臓部は、複雑なプロセッサーとソフトウェアです。我々ユーザーにできるのは、用意されたパラメーターを操作することだけで、その内部で「何が起きているのか」を完全に理解することはできません。この「ブラックボックス」感が、一部のギタリストに漠然とした不安や、「機械に使われている」という感覚を抱かせる一因となっているのです。

    心理的・文化的側面から見る「保守性」の正体
    ギタリストの機材選びは、技術的な合理性だけで決まるわけではありません。そこには、より根深い心理的、文化的な要因が絡み合っています。

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    ■理由4:神々への憧れ – 伝説が彩るヴィンテージ信仰

    ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック… 私たちが「ギターの神」と崇める伝説のギタリストたち。彼らが歴史的な名盤で鳴らしていたのは、言うまでもなく50〜60年代のヴィンテージギターと、古い真空管アンプでした。

    ギタリストが「良い音」を志向するとき、その基準となるのは、幼い頃にレコードで聴いた、あの憧れのサウンドです。そのサウンドを追い求める行為は、もはや宗教的な巡礼にも似ています。「あの音を出すためには、同じ道具を使わなければならない」という思考になるのは、極めて自然なことなのです。

    ■理由5:「不便」が愛着に変わる – 所有欲と手間のかわいさ

    ヴィンテージ機材や真空管アンプは、とにかく手間がかかります。重くて運搬が大変、環境の変化で音が変わる、真空管は消耗品、突然壊れる…

    しかし、この「不便さ」や「手のかかる感じ」が、逆に愛着を生むのです。
    繊細な機械の機嫌を伺いながら、最高のパフォーマンスを引き出してやる。そのプロセスが、「道具を使いこなしている」という実感と満足感に繋がります。

    また、希少なヴィンテージ機材や、こだわりのブティックエフェクターには、工業製品以上の「一点モノ」としての価値があります。それを所有し、眺め、磨き上げる喜びは、ギタリストの大きなモチベーションの一つです。

    ■理由6:アイデンティティの防衛 – 変化を恐れる人間の本能
    長年パッシブピックアップと真空管アンプで自分だけのサウンドを追求してきたギタリストにとって、その機材と奏法は、もはや自分自身のアイデンティティの一部です。

    そこに「もっと便利な機材があるよ」「こっちの方が簡単に良い音が出るよ」と最新機材を提示されることは、彼らが長年かけて築き上げてきた歴史や哲学、そしてプライドを脅かす行為にもなりかねません。

    これは「現状維持バイアス」と呼ばれる人間の本能的な心理でもあり、無意識のうちに変化を避け、慣れ親しんだものを肯定しようとする働きが、新しいものへの抵抗感を生んでいる側面も否定できません。
    ギタリストはその傾向が特に強く、自分達が良いと思って使い続けてきた機材以上の物が歴史の進化で出てきた際に「過去の自分を否定された気になる」のかもしれません。

    guitar-8598823_1280

    結論:敵対から「共存」と「適材適所」の時代へ

    ここまで、ギタリストがEMGや最新機材を敬遠する理由を様々な角度から見てきました。

    では、どちらが「正解」なのでしょうか?
    答えは明白です。「どちらも正解であり、優劣はない」のです。

    ラウドなアンサンブルの中でも決して埋もれない、ソリッドでクリアなサウンドが欲しいなら、EMGは最高の選択肢です。

    指先のニュアンスでブルージーに泣きのギターを奏でたいなら、枯れたサウンドのパッシブPUが最適でしょう。

    何十種類ものアンプやエフェクトを駆使して、緻密に作り込まれたサウンドでライブをしたいなら、デジタルモデリングシステムは不可欠なパートナーです。

    アンプ直結、ボリューム操作一つでクリーンからクランチまでを自在に行き来したいなら、良質な真空管アンプに勝るものはありません。

    重要なのは、「伝統か、革新か」という二項対立で考えるのではなく「自分の表現したい音楽にとって、最適な道具は何か?」という視点を持つことです。

    食わず嫌いをせず、一度フラットな気持ちでEMGを載せたギターを弾いてみてください。
    最新のモデリングアンプで音作りをしてみてください。
    そこには、あなたの音楽の可能性を大きく広げる、新しい発見が待っているかもしれません。

    伝統をリスペクトしつつ、革新のメリットも柔軟に受け入れる。それこそが、現代のギタリストに求められる、最も賢明な姿勢ではないでしょうか。

    読んで頂きありがとうございました♪


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  • History Premiumシリーズ ストラトキャスター ペグ交換&セットアップ TSUBASA Guitar

  • 2025/08/12
  • Category:
  • ヒストリー製プレミアムシリーズ、ストラトキャスターのペグ交換・セットアップです。

    ツバサギター製造のモデルです。

    ロック式ペグから通常のペグへ交換です。
    分かってる人はロック式ペグが音の面で通常のペグより良くない事に気が付き、元に戻す人も出てきます。

    プレミアムシリーズはツバサギター製造なのでフラートーンやツバサギターと同等に扱っても良い弾き易さと音の良さです。

    中古でも中々見ない個体と思いますが、本当に良い物は中古で中々出回らないのでこのモデルも見つけたら即買いレベルです。

    ありがとうございました♪


    This is a peg replacement and setup for a History Premium Series Stratocaster.

    This is a model manufactured by Tsubasa Guitars.

    The pegs are being replaced from lock-type pegs to regular pegs.
    Those who are knowledgeable about guitars realize that lock-type pegs are not as good as regular pegs in terms of sound, so some people choose to revert back to regular pegs.

    The Premium Series, manufactured by Tsubasa Guitars, offers the same playability and sound quality as Flatoon and Tsubasa Guitars.

    This is a rare find even in the used market, but truly excellent instruments rarely circulate in the used market, so this model is definitely worth snapping up if you come across it.

    Thank you very much! ♪


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